004_薬膳

『食養生・薬膳』 〜食べ物の性質知り、摂取する「食養生」〜

「○○ダイエット」や「○○健康法」など話題の方法にたくさんの人が飛びつく傾向が多くみられます。けれども、人の体質はいろいろ。ある食品にだけ注目してそればかり食べる風潮は、たまたま合って体調がよくなる人もいれば、むしろ体調を崩す人もいるのです。漢方では食べ物にはすべて性質があると考え、それぞれの体質に合った食べ物を摂ることで健康を保つことを大切にしています。
トマトやキュウリ、ゴーヤやアボガド、フルーツなど、夏野菜や暖かい地方で摂れる食材や、大麦・小麦などは体の余分な熱を取ります。夏場や、ほてり性で血圧が高めの方には良い食材です。一方、寒い時期は根菜類や、生姜、ニンニク、にら、鶏肉、羊肉、えび、栗、山椒、シナモン、コショウなど体を温め、冷えを解消する働きがあるものを摂ると体のバランスが取れやすいですね。

昔から「夏場に麦茶」「冷奴に生姜」「生魚にガリ」といった習慣もこの薬膳の考え方が日本人に根付いている証拠と言えます。また寒い北海道でジンギスカン(羊)が盛んなのも、同様なことが言えるのかもしれません。

《食物と薬物は同じ「源」、旬のものをおいしく》
薬膳は毎日の食生活を通じて行う飲食療法で「食療(しょくりょう)」「食(しょく)治(ち)」ともいいます。「薬食同源」とは食べ物と薬物は同じ源であるとし、毎日食べるものは薬にもなれば毒にもなること。薬膳というと得体の知れない薬草が入っていて、苦くてまずそう、というイメージを持ってらっしゃる方もいるかもしれません。しかし薬膳はおいしいものです。なぜなら、食べ物を五感で感じて食べるということが医学的にも重要で、また、毎日続けられなければ意味がないからです。まずは旬のものから取り入れてみて、お家で薬膳をしてみてはいかがでしょうか。

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