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【生理痛が起こる仕組み】骨盤内が冷えていると内膜がうまく剥がれない

生理痛はなぜ起こるのでしょうか。
原因はいろいろありますが、あまりにひどい方は子宮内膜症などの疾患がないか病院で検査をすることが必要です。

生理痛には背景に冷えや疲れ、血液不足などによる子宮の血流低下が関与しています。中でも冷えが深く関与していることが多いです。
子宮内膜は赤ちゃんの寝床として準備されますが、妊娠しなかった場合、生理として外に排泄されます。このとき骨盤内が冷えていると、子宮の血流が悪くなり子宮内膜の新陳代謝がうまくいかず、内膜がうまく剥がれません。そのため、プロスタグランジン(PG)という子宮を収縮させ子宮内膜を外に排泄させるためのホルモンが多く分泌されることで痛みが生じます。
またPGは子宮の血流をよくするために分泌されるのですが、これが痛みの原因となってしまうために、痛み止めの薬を使い痛みを止める(PGを抑制)行為を続けることは、子宮の血液不足や子宮の冷えを招き、子宮内の血流障害がますます加速し、痛みの悪循環を引き起こします。以前義理の父が、お腹の激痛で救急搬送された際に、上腸間膜動脈血栓症(腸の血管が詰まる)と診断され、命の危険を告げられましたが、詳しく検査をしたところ、血栓症(血が詰まる)ではなく、虚血症(血が十分行き渡っていない)との診断に変わり、無事退院できました。結局義父に起こった激痛の原因は血液が足りずに起こった症状であり、腸であれ子宮であれ、血液が十分に流れていないと激痛が起こるのが身体の仕組みなのです。

生理痛が酷い時にカイロなどで温めると痛みが軽減するのは血流が良くなり、内膜が剥がれやすくなるためです。冷たい物を口にしたり、湯船につからずシャワーで済ましたり、特に下半身の薄着などには気を付ける必要があります。
子宮の冷えが長期的になると、子宮には充分に血液が行き届かなくなり酸欠が起こるため生理痛の他に、生理の時の血の色が暗い、粘り気がある、塊が出る、といった、子宮内膜環境の悪化につながります。血流が悪いということは、酸素と栄養が行き届かず、二酸化炭素と老廃物が回収されないため子宮筋腫や子宮内膜症などのできものもできやすくなってしまいます。痛み止めでしのぐのではなく、なるべく骨盤内の環境を整えるアプローチをしていくことをお勧めします。

漢方では月経期に活血剤(かっけつざい)を使います。
活血剤に使われる漢方の原料(生薬)のうち、

○植物性由来
丹参(たんじん)、当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)、桃仁(とうにん)、田七人参(でんしちにんじん)、牡丹皮(ぼたんぴ)、紅花(こうか)、延胡索(えんごさく)、鬱金(うこん)、三稜(さんりょう)、莪朮(がじゅつ)、鶏血藤(けいけっとう)、大黄(だいおう)など

○動物性由来
水蛭(すいてつ)、五霊脂(ごれいし)、地竜(ぢりゅう)、䗪虫(しゃちゅう)などがあります。

血流を良くし、新陳代謝を高める漢方薬は、いらなくなった内膜をすっきり排泄させ、痛みを起こしにくくします。内膜がきれいに剥がれると次の生理で良い内膜が形成されやすくなり、妊娠につながる可能性が向上します。
また良い内膜が形成されるためには、漢方薬で卵巣機能を高め、十分な血液を補うことも大事です。

女性の病は「血の道の病」といいます。
女性の一生は血液と深い関係があり、月経は女性の健康のバロメーターです。常に「痛み無し」、「塊無し」、「きれいな赤色でサラサラの経血」、「適度な量」など正常な月経をキープしておくことが、女性の心身の不良防止や老化予防につながります。

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