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『更年期障害』 〜女性の体のリズムを知り、ハッピー更年期を!〜

《女性の体は7年周期で変化する》
漢方の古典には女性の体は7年周期で変化し、7の倍数が女性の体の節目であると記載されています。
14歳までに初潮が始まり、21歳で身長が伸びきり、28歳で身体機能、性機能のピークを迎えます。35歳からは少しずつ老化が始まり、42歳からは月経量が減ってきて白髪が気になり始め、49歳で閉経を迎えます。
また、生理周期は約28日、低温期高温期ともに14日間、生理の出血期間は7日など。多少ずれていても問題はありませんが、この7のリズムは女性の体を健康に保つ上で重要です。この女性の一生のリズムは太古の昔から変わっていません。

《200種類以上あるといわれる不定愁訴「更年期障害」》
閉経期を迎える際の更年期は、女性が最後に迎える身体の大きな変化と捉えます。生理が終わることで「妊娠ができない状態」に変化することは、体力的に1段階下がることを意味します。また、更年期障害は「不定愁訴」といわれるように、細かいものも含めると症状が200種類はあるといわれています。
女性のホルモンバランスは卵巣と脳の視床下部から分泌されるホルモンの連携により成り立っています。ところが、卵巣の力が弱まると脳から「もっとホルモンを出せ」という命令が出ます。それでも卵巣が十分な反応をしないと、脳はもっと強く指令を出します。脳から卵巣へ指令を出している部分と自律神経を支配している部分は同じ場所にあります。家の中で誰かがイライラしていると家族を巻き込んでケンカになってしまうように、脳の指令部の興奮は結果的に自律神経の働きをも乱してしまうことがあります。
自律神経は消化吸収や血液循環、代謝機能など重要な働きを支配しており、自律神経が乱れると、あらゆる症状が出てきます。そのため更年期障害の症状は200種類を超えるほど多種多様なのです。

更年期を迎えるにあたって、一番大事な時期は症状が出始める手前の時期。何も気付かないうちに突然更年期障害の症状が出てきた!という方がいらっしゃいますが、その前兆を見過ごしてしまっただけで、少しずつ月経の変調や肌や体の変調が出ているはずです。
症状としては、代表的なホットフラッシュ(のぼせ)以外にも、

・生理周期が早まる・のびる
・肩こりがひどい
・イライラしやすい
・不安感が強くなったり、鬱っぽくなる
・動悸、息切れがする
・めまい
・体がだるい、疲れがとれない
・やる気が出ない
・よく眠れない
・肌が乾燥しやすい

などがあります。
35歳を過ぎたら、体の衰えを緩やかにし、快適な更年期を迎えられる準備が大切になってきます。

《漢方で予防も! 卵巣機能を高める》
通常、更年期は45歳~55歳ですが、近年若年齢化しており、30〜40代女性の更年期障害が増えています。更年期障害は35歳を超えたらもう予防の準備をした方が良いといわれます。しかし、現代ではもっと早くから卵巣機能の働きを高めておく必要がありそうです。
実際に店頭でのケースでも、40代前半で更年期障害と分からず、倦怠感がひどく家事を十分にこなせなくなり、この原因不明の倦怠感や、やる気が出ないといった症状がご家族にも理解されず、ただの「怠けぐせ」だと誤解されていたケースもありました。
漢方薬を服用し始めて体調が安定し、

『自分は怠けていなかったんだ』

と、理解できるようになり、身体はもちろんのこと、何より精神的に楽になれた!と喜んでもらえたことが、とても印象的でした。

更年期障害は漢方薬での予防が可能です。
「生薬・当帰(とうき)」の入った漢方薬はその代表的なものになります。ただし、当帰の入ったものも数多くありますので、体質に合ったもの専門家に聞くのが一番です。また下痢のしやすい方などは当帰の「潤腸作用」によって、下痢症状が後押しされる場合などのありますので、十分ご注意を!
他にも、生薬・亀板(きばん/亀の甲羅)や鼈甲(べっこう/スッポンの甲羅)なども、卵巣機能を高める働きを持ちます。
また、漢方薬はホルモンを強引に分泌させたり、高め過ぎるといったことがありません。「その人の本来持っている機能に近づける」といった役割であることを知っておくと、漢方にあまり触れたことがない方も安心してお試し頂けると思います。
更年期障害の症状は体質によって様々です。漢方では一つ一つの症状を追いかける対処療法だけではなく、内臓の働きの低下、体質の弱点を整えていくことも大事であると考えます。

普段の食事では、
・黒豆、黒きくらげ、黒ゴマ、海藻などの黒い食べ物
・くるみ
・えび・なまこ・貝類
・山芋やモロヘイヤなどの粘り気のある食べ物
・なつめ、枸杞の実、卵、ほうれん草、トマトなどの血液を補う食べ物

などを意識して摂るようにしましょう。

のぼせて暑いからと冷たいものを口にすると卵巣機能が低下してますます症状が悪化しやすいので、できるだけ体を冷やさないように注意しましょう。また、のぼせやホットフラッシュがある方、生理周期の短いタイプは辛いものは避けましょう。


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