ハリウッド映画でアジア系の勢いがすごい!
ここ最近、ハリウッド映画でアジア系の存在感がググッと上がってきてます。
今までは端役でしかなかったし、ハリウッド映画で主役をはる俳優や、大作を撮る監督も少なかったですが、ここ最近は本当に多いです。
実は、あれもこれも。
そんな作品を集めてみたので、まとめて紹介してしきたいと思います!
※ポスター画像にFilmarksのリンクを貼っておきます
『シャン・チー』
2021年 アメリカ 132分
監督:デスティン・ダニエル・クレットン
出演:シム・リウ、オークワフィナ、トニー・レオン、他
まずはこちら。ついにマーベルの一翼を担う位置にアジア系がやってきました!
主役もスターでないアジア系というのがすごい。
ニューヨークのホテルマンとして普通に働く男が、実はテンリングスという影の組織のボスを父に持ち、幼少の頃より格闘技を叩き込まれた強者で、その父に巻き込まれながらスーパーヒーロとして目覚めてゆくストーリー。
香港スターのトニー・レオンが父親で、見どころは何と言ってもカンフーアクション!
ジャッキー・チェンのような本格派カンフーというよりは、アメリカ人が好きそうなファンタジックアクションで、カメハメ波みたいな感じではありますが、ディズニー映画でカンフーアクションがメインになるなんて、って思ってしまいました。
そして展開としては結構コミカルです。ヒロインのオークワフィナは登場するだけで笑える雰囲気を醸し出す魅力を持っています。
監督のデスティン・ダニエル・クレットンも母親が日系アメリカ人というアジア系のルーツを持つ人で、『ショート・ターム』、『黒い司法』など良作を連発してるので要チェックです。
こちらはまだまだ公開中です!
『ワイルド・スピード / ジェットブレイク』
2020年 アメリカ 135分
監督:ジャスティン・リン
出演:ヴィン・ディーゼル、シャーリーズ・セロン、ナタリー・エマニュエル、ミシェル・ロドリゲス、ヘレン・ミレン、他
こちらは、もう大人気シリーズです。
シリーズの回を重ねるごとにそのスケールが大きくなっていって、最初は走り屋の話だったのに、今や各国の犯罪組織を相手にとんでもないカーアクションを繰り広げて火薬量もハンパないスーパーアクション映画。
これぞ映画館の大スクリーンで観る映画!って感じです。
監督のジャスティン・リンは、台湾系アメリカン人。
「ワイルド・スピード」シリーズは途中から引き継ぎましたが本作までずっと監督をし続けています。
そして、この「ワイスピ」は、キャストも非白人系が中心なんです。
主演のヴィン・ディーゼルやミシェル・ロドリゲス、ドウェイン・ジョンソンなど白人でない人たちが中心にいることも注目ポイントです。
『ノマドランド』
2020年 アメリカ 108分
監督:クロエ・ジャオ
出演:フランシス・マクドーマンド、デヴィッド・ストラザーン、他
こちらは今年のアカデミー賞で、作品賞と監督賞、主演女優賞という主要部門を総ナメにした話題作です。
映画の内容としては、失業して家も無くした白人女性がノマド(漂流民)として車上生活を始め、季節労働者として各地を転々としながら暮らす様子を実話に基づいて描いた作品です。
本作の注目ポイントとしては主演などメイン以外は、本物のノマドの人たちが実名で出演しているところです。
ドラマなのかドキュメンタリーなのか分からなくなる演出がクロエ・ジャオの作家性です。
クロエ・ジャオは中国出身の女性監督。
非白人として、初めて監督賞を受賞するという快挙を成し遂げました。
そのクロエ・ジャオの次回作が、マーベルの『エターナルズ』。アンジェリーナ・ジョリーが主演です。この作家性でハリウッドエンターテインメントのど真ん中をどう描いていくのか、こちらも楽しみです。
ちなみに、今年のアカデミー賞は色々と珍騒動があったので、それは別途noteに書いています。こちらもぜひご覧ください。
『クレイジー・リッチ!』
2018年 アメリカ 120分
監督:ジョン・チュウ
出年:コンスタンス・ウー、ヘンリー・ゴールディング、ジェンマ・チャン、オークワフィナ、ミシェル・ヨー
こちらも、めっちゃ面白い映画です!
セレブなどの富豪をリッチといいますが、その上をいくのがスーパーリッチ、そして更にその上をいくのがクレイジーリッチ!
彼氏の実家に行ってみたら、クレイジーリッチだった!というのがこの映画のストーリー。ハリウッド映画ながらキャストがほぼアジア系ということで話題になりました。
クレイジーリッチな家という設定もすごく面白いのですが、この映画も見どころとして、音楽もポイントです。有名曲のカバーはじめいい楽曲が多いです。
監督は、ジョン・M・チュウ。アジア系アメリカ人で、最新作は『イン・ザ・ハイツ』。これは現在も公開中です。
こちらはニューヨークのラテン系コミュニティの厳しい現実を歌って踊ってポジティブに生きようとするミュージカル作品です。
こちらもいい作品なのでぜひ映画館で観て欲しいです。
『ムーラン』
2020年 アメリカ 115分
監督:ニキ・カーロ
出演:リウ・イーフェイ、ジェット・リー、ドニー・イェン、コン・リー、ジェイソン・スコット・リー、他
中国を舞台にしているだっけあって、キャスト中華系のスター揃いです。
こちらは、劇場公開すると言って結局配信のみになって、劇場から大ブーイングを食らった問題作です。
ディズニーは、Disney+をスタートさせていてコロナ禍で営業できない映画館を見限って、それよりは売上を上げられる自社での動画配信に切り替えました。
もう義理も人情もなにもないですが、これに映画館側が大いに怒り、反発してました。
このムーランの看板を叩き壊した後ろに、コロナ禍で映画館上映を押し切ったクリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』の看板が見えてくるところが何とも皮肉な感じになってます笑
ディズニーは作品やメッセージはとてもいいのですが、ビジネス的な判断はとてもドライで収益優先なのがとても残念です。
制作側と経営側のカラーが大分違うんでしょうか。。
『ミナリ』
2020年 アメリカ 116分
監督:リー・アイザック・チョン
出演:スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、ユン・ヨジョン、他
こちらも今年のアカデミー賞で話題になった作品です。
ユン・ヨジョンが見事にアカデミー助演女優賞を受賞しました。
アメリカに移民した韓国家族の苦労を描いた作品です。
ミナリとは、植物の「セリ」のことです。七草粥のあのセリですね。
セリは2度目の旬が食べ頃のことから、親世代が次世代のためにがんばることを指しているのだとか。
監督のリー・アイザック・チョンは韓国系アメリカ人。
キャストもほぼ韓国人で言語も韓国語が多くて、これでアメリカ映画なんだからすごいなーって思います。
作品としても素晴らしいのでこちらも要チェックです。
この作品はどちらかというとミニシアター系ですが、製作は気鋭の映画会社A 24とプランBのタッグで、このあたりもポイントです。
『フェアウェル』
2019年 アメリカ 100分
監督:ルル・ワン
出演:オークワフィナ、ツィ・マー、ダイアナ・リン、他
こちらもA 24作品です。
アート系で、アメリカ中国移民の家族を描いた作品です。
おばあちゃんが余命わずかなのでみんな中国の実家に戻るんですが、アメリカに移民した家族と中国の家族との価値観のズレなど、現代的なテーマが垣間見れる作品です。
主演は、『シャン・チー』、『クレイジー・リッチ』にも出演しているオークワフィナです。彼女は、『オーシャンズ8』にも出ていてハリウッドを代表するアジア系女優ですね。
最近では、GUCCIのCMにも出ていてその面白い存在感を発揮をしてました。
監督はのルル・ワンは中国系アメリカン人。北京へ生まれマイアミで育った家庭でまさに映画の主人公そのもの。
ルル・ワンが脚本も手がけ、自身のエピソードをもとに『フェアウェル』は誕生しました。
同じ中国人なのに住む場所が変わってカルチャーが変わると、アイデンティティーも変わってくる、そんな現代的なテーマがすごくいいです。
世界の感覚を知れるのでとてもおすすめです。
ハリウッドの多様性
映画は、その時代の世相を反映するメディアなんですが、ハリウッドの多様性が見られるようになってきたことかなと思います。
アカデミー賞も白すぎるオスカー問題やセクハラ問題など色々と問題を抱えていて、一部の白人が決めていたアカデミー会員も有色人種などを大幅に増やし改善を図っています。
#metoo運動やBLM (ブラックライブスマター)など社会的な動きも色々と影響を及ぼしています。
最近のアカデミー賞
昨年のアカデミー賞で作品賞を受賞したのが、『パラサイト 半地下の家族』です。こちらは完全に韓国映画なので監督もキャストも韓国人で、言語も韓国語という作品ならがら、見事にアジア勢としても初のアカデミー賞作品賞を受賞するという快挙を成し遂げました。
めっちゃくちゃ面白いので未見の方はぜひチェックしてみてください、Netflixで配信中で、レンタルにもあります。
以前に、ネタバレ考察記事を寄稿したので鑑賞済みの方はこちらも参考にされてみてください。
真逆の記事も
アジア系が躍進している!と言われていつつも、実はそんなにシェアは高くないよ、という記事もあります。
以前より勢いが増しているのは間違いないと思うのですが、言うほどでもないよ、ということかもしれません。
こういう意見もちゃんとチェックしておきたいですね。
日本人がんばれ!
色々とアジア系が活躍する作品や監督、キャストを紹介してきましたが日本人が出てこないのが寂しい。。
ハリウッドで活躍する日本人俳優でいうと、渡辺謙や真田広之というあたりでしょうか。ミニシアター系でアメリカや海外作品に出演されている俳優もいますが、今まで紹介したような一線でとなるとなかなかいないのが現状です。
条件としては言語がやはり必須です。
セリフがしゃべれるかということではなくて、監督など制作陣からの「英語の指示を完全に把握して理解できるか」というのがマストの条件になってきますので、ここが決定的に日本人が弱いとこじゃないかなと思います。
やっぱり言語って大事ですね。
ハリウッドで活躍しているアジア系俳優もネイティブばかりではないので、ぜひぜひ日本人俳優にもがんばってほしいです!!
言語以外のポイントを指摘している記事もあります。
アジア系に対する誤解や偏見
こんな記事もありました。
コロナ禍でアジア系に対するヘイトや暴力などもニュースになってました。
その辺りが記事になっていたのでこちらもリンク貼っておきます。
映画を通してアジア系のことがもっとちゃんと描かれて、理解が進み分かり合える日が近くなることを望みます。
インスタでも
インスタでは割とタイムリーにその時観た作品や、映画の本なども気軽に紹介していますし、僕の映画の活動もアップしてますのでこちらもフォローしてもらえると嬉しいです。
最後に
今回は、ハリウッド映画で勢いを増すアジア系についてnote書いてみました。
まだまだ公開中の作品もありますし、動画配信やレンタルでも観られますので気になる作品があればぜひチェックしてみてください!
最後までありがとうございます。