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#BLACK LIVES MATTER な映画3選

こんにちは。

アメリカのジョージ・フロイドさんの死亡事件による余波がすごい広がっています。白人警察による黒人への過剰な対応が次々とSNSでも公開され、アメリカ以外の国でもデモが行われるなど勢いを増しています。

この"BLACK LIVES MATTER"の流れはここ数年映画でもテーマにされることが多くて、関連の作品もとても増えているところでした。

映画はその時代の世相を反映するメディアなので、この問題意識がとても大きくなってきているタイミングだったんだと思います。

今回は、その流れを組んだ作品を3作品紹介したいと思います。
背景や歴史、今の空気感が分かるのでぜひこの機会にチェックしてもらえると嬉しいです。


▼『ヘイト・ユー・ギブ』 (THE HATE U GIVE)

2018年/アメリカ
監督:ジョージ・ティルマンJr.
出演:アマンドラ・ステンバーグ、レジーナ・ホール、ほか
あらすじ
主人公のスターは、地元の黒人街から白人の多い学校に通うという2つの世界を行き来する生活を送る女子高生。ある日幼馴染みのカリルの車で帰宅途中、パトカーにささいな理由で呼び止められ、警察官の勘違いによりカリルは撃たれてしまう…

この映画、むちゃくちゃタイムリーな内容で、しかもすごく良くできた面白い作品なんです! めちゃくちゃオススメ。

Filmarksでも評価が高い良作なんですが、この映画なんと日本では劇場未公開! 今だったら絶対ヒットするはず。
これだから劇場未公開も侮れない…

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主人公のスターは貧しくて治安の悪い黒人街で育ちながら、裕福な白人が多いリベラルな学校に通っているので、「黒人が不条理に殺される日常」と「リベラルなんだけど所詮は他人事」の二つの価値観を体験する。

この二つの世界で生活しているという設定によって、それぞれの視点で物事が見えてくるんです。
暴力的な白人警官 VS 無実の黒人という単純な話ではなくて、警察官には黒人もいるし、黒人にはギャングや薬物の売人も多い。

そういう"リアルな今の空気感"を映画にしてくれている作品です。

スターが立ち向かった先に何があるのか。
レンタルにあるので、ぜひ映画も観て欲しいです。

The Hate U Give Little Infants Fucks Everybody
- 2PAC -



▼『13th -憲法修正第13条-』 (13th)

2016年/アメリカ
監督:エヴァ・デュヴァネイ

こちらもめちゃタイムリーな内容のドキュメンタリー作品です。
こういうのができちゃうんだからネットフリックスってすごい!

この映画が訴えていてすごいのが「奴隷解放以来、アメリカは国家的システムで黒人を不当に扱ってきている」というのもので、専門家のインタビューを交え、様々な実例や数字を上げて、とてもロジカルに説明しています。

アメリカの憲法13条とは、奴隷制廃止を謳った条項なんですが、「ただし犯罪者は除く」という点をつき、とにかく黒人を逮捕しまくって"犯罪者"にし、人権をむしり取っていくやり方が見事な編集で描かれています。

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前述の映画『ヘイト・ユー・ギブ』でも、主人公スターがSNSに投稿する過去の事件の写真や映像がめちゃくちゃ出てきますので、併せて観るとその関連性がより分かります。

ネットフリックスには他にも関連したドキュメンタリーが多数ありますので、興味ある方にはとてもオススメです。

ちなみにネットフリックスは企業としても今回のジョージ・フロイドさんの事件に対してメッセージを出していて、それはとても珍しいことのようです。


トレーラーを探していたら、なんかネットフリックスが公式で本編全部をYouTubeで配信してるっぽい。。
今だけなのか分かりませんが、Netflix加入していない方も観れちゃいますのでこのタイミングでぜひ。



▼『デトロイト』 (DETROIT)

2018年/アメリカ
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、ほか

こちらは、デトロイト暴動の内幕を描いた作品でこれまた傑作です!

緊張感ある映像を撮らせたらトップクラスのキャスリン・ビグローが監督してますので、全編に渡ってハラハラドキドキ感がすごいです。
映画館で観た時は心臓に悪かった笑

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デトロイト暴動が起こったのは1967年の夏。 黒人たちの不満が爆発して大きな暴動にまで発展。この映画はそんな背景のデトロイトで起こった、白人警官による無実の黒人青年を死に追いやった恐怖の事件の映像化です。

アフリカ系アメリカ人の歴史を奴隷貿易の頃からとても簡潔に分かりやすく冒頭のアニメーションでまとめていて、その前提から始めるのでとても理解度が上がって分かりやすいです。

スターウォーズ新シリーズのジョン・ボイエガが出演。そしてウィル・ポールターがあのいじめっ子顔で暴走していく感じがすごいんです。

AmazonプライムやNetflixでも配信中です(2020年6月14日時点)


▼おまけ

映画作品は3選なんですが、おまけでこの問題といえばの映画監督も挙げさせてもらいます。

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スパイク・リー

ご存知、スパイク・リー監督です。

『ドゥ・ザ・ライト・シングス』や『マルコムX』など黒人としてのアイデンティティで映画を撮り続けてきた人です。ここ最近は方向性が分からない時もありましたが、昨年の『ブラック・クランズマン』で完全復活!

ブラッククランズマン1

スパイク・リーの怒りがふんだんに盛り込まれた傑作です。そもそも映像がスタイリッシュで音楽がサイコーにかっこよくて、とにかくオシャレで面白い作品を作る監督なので、久しぶりにスパイク節を観れて感動しちゃった映画ですのでこちらもオススメです。


※最新作『ザ・ファイブ・ブラッズ』がNetflix限定で6月12日から配信始まりました


▼最後に

アフリカ系アメリカ人の差別の歴史は15世紀の奴隷貿易の頃から脈々と受け継がれ、南北戦争後の奴隷解放宣言があったにも関わらず、現在までそれが続いています。

その根深さと現状を今回紹介する3本だけでも少し理解できるようになると思います。

これから同様の作品が増えてくると思います。
分断が進むアメリカがちょっと心配ではありますが、映画とともに学び少しでも理解を深め、より良い未来のためのヒントを見つけていきたいです。


最後までありがとうございます。


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