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【本を出す】持ち込み企画はどうしたらゴーサインになるのでしょう?

本を出したいなら
出版社に持ち込もう!
そんな記事を何度か書いてきました。

持ち込む時に用意するものや
どうやって編集者と繋がるか?など。

でも、これでは不十分でした。
外側の話でした。
内側はどうなっているか、
つまり、出版社内で、
「持ち込み企画はどのようにして
採決されるか?」も大事な話ですが、
話し忘れていました。

企画が持ち込まれたら、
その後、出版社内でどんな流れを
辿ってゴーサインになるでしょう?

出版を夢見るみなさんには
興味津々な話ではないでしょうか。

「その企画を本にしよう!」
と決める力があるのは、
編集長、その上の編集部長、
こうした上司に企画書を見せて
ゴーサインがでれば、
企画を進めることができます。

大きな会社なら
編集者全員が参加する編集会議、
そこに販売部が加わる場合も。

スマートな規模の会社なら
編集担当が
編集長、副編集長に
話をして企画書を見せて、
反応が良ければ
それで企画はゴー!です。

では、編集長は
どんな時にゴーサインを
くれるのでしょうか。

それは、うちならできる、
と考える時です。

もう10年以上前になりますが、
あるライターさんから
ももいろクローバーのファンブックを
やりたい、と企画書を貰いました。
私もそれはいいなと思い、
数日後の編集会議で
みんなに企画書をコピーして
回しました。

面白そう!と賛同してくれる
同僚もいましたが、
上には反対されました。
こうした本のノウハウがある
クイックジャパンの太田出版や
KADOKAWAあたりからそのうち出る。
うちがノウハウもないのに
出す必要はないだろう?
というのがその理由でした。
案の定、しばらくして
ももクロの特集が
太田出版のクイックジャパンから
でました。

サブカルが得意なライターや
サブカルに強いデザイナー、
また、その類に強い印刷所、
などなど、彼らが蓄積している
ノウハウは重要です。

その分野に素人同然の私が
乗り込んでも、無理があります。

逆に、私が勝手しったる分野なら
企画はきっと通ります。

でも、出版社の外側にいる人には
そこの第1編集部は何に強く、
第2編集部は何に強いか、
なんて傾向は分からないですよね?

ただ、ヒントはあります。
同じ傾向の本を色々と、
多少アレンジしながら出してます。
ははーん、ここの出版社は
こんな傾向の本なら、
企画を持ち込んだら
話を聞いてくれるかも?
という推測が可能になります。

ある時、仲のいいデザイナーから
この漫画家さん、
コミックスの端で 
飼い猫が死んだ話を描いてるから
その漫画家さんにその猫の一生を
書いてもらったら? 
と言われたことがあります。

これは、女性漫画家と
仕事をするのが多かった私には
その企画が出来ない理由が
ありませんから、
編集会議もトントンと
ゴーサインをもらいました。

もちろん、例外もあります。
その出版社では前列がない企画でも
ゴーサインが出ることもあります。
あなたから企画をもらった編集が
ノリノリになれば、
根回しじゃないですが、
同僚にまず雑談レベルでなんとなく
企画の話をして、
賛同を得ておきます。

また、編集長あたりにも
企画の話をして、
どこを補えばいいか、
アドバイスをもらっておきます。

その後、いざ、編集会議で、
企画を俎上に乗せたとき、
何人かの、賛同してた同僚に
「これ、面白そう」など
援軍的な反応をしてもらいます。

また、自分の所で出す意味は
あるのか聞かれたら、
用意してた答えで返します。

この場で決定にならずとも、 
空気がよい感じになった所で、
「では前向きに検討する、と
言うことで。」と引き上げます。

これで次の会議までに
ウィークポイントを補強するよう、
色々と策を練ります。
また、企画持ち込み人にも
状況を話し、さらなるアイデアを
一緒に出し合います。
 
2回めにまた会議で同じ企画が
俎上に乗せられ、
かつ、アイデアが
頑丈になっていたら、
きっと、今度は会議で
ゴーサインが出るでしょう。

これが、持ち込み企画が
ゴーサインを得るまで、です。

とまあ、これは私がいる会社の
ケースの話です。

世には、もっと色々な方法で、
企画がゴーサインになる道は
たくさんあるでしょう。

今日書いたのは、
企画をもらった後に
編集者がどんなことをするか
出版社の内側について
お話させて頂きました。

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