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【書店と出版社】善意だけで本の世界はうまく回りません?

書店のマージンは本の売上の2割。
1800円の東野圭吾の本を売って、
360円が書店に、、、
そこから、店員さんの給料や
家賃や諸経費を引くと、
純利益はかなり少ない。

でも、これが決まり。
…と、書店も問屋も出版社も
思っているけれど、
必ずしもふさわしい状況か
本当は議論されないと、
本屋さんがかわいそう。

それから、書店のディスプレイは
あくまで書店員の自発的な熱意。
そのディスプレイによって
売上が直結的に上がればいいけど、
時には、あるコアな作家がいて、
ある書店員がその作家のファンで、
とにかくその書店員さんの
自発的な熱意によって
店頭でかなり賑やかに派手に
飾り付けてもらえる場合も…。
この時は下手したら、書店は
思うような売上が得られずに
赤字になるかもしれません。

どこかの化粧品会社が
新しいリップを開発して、
大々的に色んなコスメショップに
店頭展開をお願いする場合、
まあ、通常はいくらか協力要請金?
的な金銭が発生しますね。

でも、書店では、
書店員の自発的な熱意次第で、
出版社から金銭は発生しない。

それはちょっと書店が
かわいそうだなあ、と思う。
もしかしたら、
自社の本を派手に展開してくれた
書店には、化粧品の場合の
協力要請金?みたいな店頭展開代を
いくらか発生させたらどうだろうか?
そうしたら、書店はもっと
収入源も増えて、
閉店に追い込まれる書店も
減るのではないかしら?

出版社が書店員の自発的な熱意に
ずっと甘えてきたから、
つまり、書店は長い間、
手弁当をやり過ぎたから
こんなにたくさん閉業する
ようになったのではないか?
出版社は冷たいのではないか?

…というような話を、
ある出版社の販売部の
おじさんに話したら
何かが気にさわったらしく、
そんなことしたらダメだと
えらく顔を真っ赤にして
叱られてしまいました。

ふと気づいたんです。
それは、一部の大手出版社と
一部の大手書店と
巨大な問屋機構(取次店)が
今まで作りあげてきた既得権の
話になっていたのです。

作家への愛や、
本への愛、物語への愛などで
書店員が夢中で店頭展開してくれる。
それがあるべき姿だ、と
既得権で得をする側は開き直る。

本屋さんが店頭展開するのに
有料化しだしたら、
本への愛はどうなる?!

それに、そんなことをしたら、
全書店が一斉にカネをくれ、
その上で店頭展開するかどうか
話し合いましょう、となったら
出版社はどうなるんだ!?

…と既得権で得をする側は
顔を真っ赤にして訴える。

でも、もともと出版社は
6割近いマージンだ。
2割の書店とは大違いだ。
少しくらい、出版社から
書店に持ちだしが増えて
それでやっと、タイタイに
なるんじゃないかしら?

…今回は、狭い業界話を
それもかなり面倒な話を
あえて書かせてもらいました。

みなさんが毎日触れている本には、
どんな事情が込められているか
知って頂きたくて。

本屋さんに明るい希望を!
業界改革は業界内でやるしかない。
でも、業界だけでは、
膿はきれいには取り出せない。
いつか、本が好きな方と書店と出版社が、
もっとフェアであるべき姿になるよう
改革ができるようになったら
どんなに素晴らしいだろう?

小さな出版社の、
そのまた無力な営業宣伝部の人間として
小さな声をあげてみました。


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