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【トラウマ】いわさきちひろ作品はなぜトラウマが宿るのか?

いわさきちひろ、という
画家をご存知ですか?

学生時代、練馬区に住んでて、
『いわさきちひろ美術館』の
真裏でした。
近所名所あるあるで、
当時、一度も行きませんでした。

いわさきちひろさんの絵は、
儚く切ないだけでなく、
どこかホラーな、不気味な空気さえ
感じるんです。
それも迫りくる迫力で。

母親や子供、また親子一緒の絵は、
なぜか怖いんですね。 

儚い子を守ろうとする母親の、
痛々しい強い祈りや怨念がする…。

もしかしたら、
子を事故や病気や流産で失った体験か、
それに近いトラウマが、
いわさきちひろさんには
あるにちがいない?
…哀しみをずっと抱える母心…
…そんな分析を勝手にして、 
いわさきちひろさんを
遠ざけてきました。

それが、先日、Eテレを見てたら
いわさきさんの特集がやっていて、
戦争の敗戦時に中国から
引き揚げてきた人だったんですね。

命からがら、中国から
逃げてきた人たちの一人。
当時、いわさきさんは中国で
教員をしていて、
引き揚げ時、事態が急で
生徒たちの事まで手がまわらず
後に残してきた、
その悔いとやましさが
ずっと深くあったそうです。

と、いわさきちひろファンの
黒柳徹子が代わりに
いわさきさんの思いを語ってた。

私は、母性の我を忘れた哀しさに
起因するんだと感じて、
深く知ろうとしませんでした。

あの絵に漂う痛さ、儚さ、不気味さは
戦争の傷跡だったのでした。 

あの痛々しさは、戦争を生き残った
人々を襲った「やましさ」だった。

他にも、敗戦時に命からがら
逃げてきた画家や作家は多いですね。 

『あしたのジョー』漫画家の
ちばてつや先生は、 
最近自伝を書き、
戦争について触れ続けてる。

20世紀の凄絶な体験を、
巨匠たちが
残してくれる事はありがたい。

ちひろさん、
今まで深く知ろうとせず、
申し訳ありませんでした。

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