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【危ない読書】私小説家・車谷長吉や西村賢太には気をつけないと…

普段は怖くて近づかないように
している本や作家っていますね?

太宰はどうも苦手で
滅多に読まないとか、
三島由紀夫はどうも
文章がハナにつくから
ほとんど読んでないとか。

私が今、読まないよう
気をつけてるのは、
高野悦子『二十歳の原点』
という、二十歳で自殺した
繊細な女性の日記文学です。

あれを私も19才位で読んで、
高野さんにハマってしまい、
人生に疑問を抱き、もう少しで
彼女の後を追って自殺しようと
うろうろしていた時代が…。

賢明な二十歳前後の方は
洗脳されないで下さいね。

それから、私小説家がまた怖い。
西村賢太さんも
なるべく棚から取り出さない
ようにしてます。
貧乏、風俗、ケンカ、悪酒、DV…。
あんなに露悪的に自分の恥部を
さらけ出してる、、、。

うわ、こんな人もいるのか?
これで生きててもありなのか?
と妙に慰められてしまうんです。

慰められるというか、
自分の肯定ですね。
もしかしたら
自己肯定したいなら、
自己啓発書より、
西村賢太を読むといいですよ(笑)。

ああ、ダメだ、ダメだ、
頑張って生きようって
思わなくなりそうで。

西村賢太から学べるのは、
自分を自分で書く時の俯瞰の高さと
バランスよさでしょうか。

それから、
西村賢太さんより更に怖いのが、
車谷長吉さん。
車谷さんは屈折率500度?くらい?
クセのある人生観と文体で、
読ませてくれるんですが、
だんだん生きてても意味がないと
思えてくるんです。

「生きるとは死ぬこと。悲しいこと」
というのが車谷長吉さんの
頑として揺るがない信条で、
どんな作品を読んでも
やはり悲しい音色に
満たされてしまうんです。

もはや、悪魔の歌ですよね。
頑張って前に行きたいのに、
後ろ髪を引っ張られて
後ろに後ろに歩いてしまう。

そんな作家をなぜたまに
読みたくなるんでしょう?
ホラー映画を観たくなるのと
似た感覚でしょうか?
くさやを食べてみる感覚かしら?

車谷長吉の本を読むと、
引きずられて、
しばらく誰とも会いたくなくなる。
自分のどす黒い感情で
胸がいっぱいになる。

それなら、わざわざ記事にして
人に紹介したりしないでよ、
と感じられてる方には
申し訳ありません、と
申し上げるしかないですが、
「危険な読書」というジャンルに
ついて、お話したくなりまして…。

高野悦子、西村賢太、車谷長吉、
この人たちを読む時は、
ちょっと気をつけて下さいね。

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