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【読書】人はどのようにして本を買うのか?

こんな作家を知らなかったなんて…。
今週発売された中公文庫
『おどるでく』。作者は室井光弘。

なんだろう、このタイトルは 
何か、どこかで聞いたことがあるなあ。
でも、なんだったっけ?

という流れで、その本を
手に取りました。
オビには、町田康と辻原登の
推薦文が載っています。
巻末には、多和田葉子が
エッセイを寄稿していますよ。
これは「買い」かなあ?

きっとこんな作家たちが
リスペクトしてる人なら、 
室井光広という作家は、
よほど深い力を持ってるに違いない。

カバー袖にある、
作家プロフィールを読むことに。
あ、室井光広は、 
1994年に「おどるでく」で
芥川賞をとっていた。
だからだあ、
かすかにその名前を聞いていたのか。
2019年、4年前には他界してる。
それがまた伝説の人らしく見える。

カバーには「猫又伝奇集」とある。
猫好きには気になるサブタイトルだ。

ああ、私はこの本の編集者の策略に 
まんまと乗せられていく。
余りにも、まんまと、、、(笑)。

もはや買う気分ですが、 
中身を確かめねば。
早速、最初の作品のページを
ワクワクしながらめくっていく。
短編のタイトルは「猫又拾遺」。
これもまた猫の話かあ。

これはもはや「買い」だな。
念のため冒頭を読むことにする。
「天から、ものが降ってくるということがある。もちろん、雨雪あられではなく。」
う〜ん、なんとも意味深な冒頭だ。
 
これは「買い」だ。
いや、買うしかない。

という訳で、
昨日まで何も知らなかった、
室井光広という作家の
短編集を買う運びとなりました。

こうして新しい作家、
知らなかった作家の本が
家に増えていくんだなあ。
 
思えば、 
こうして増えていった作家では、
佐藤泰志や
佐藤正午、
山川方夫、
上林暁らも、
本屋さんでの、こんな出会いから
始まっていきました。

見知らぬ一冊の本を買うには、
色んな要素がたばになって
私を誘惑しているんだなってことを
痛感させられました。

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