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【女性性】女性のエッセーの筆写はなぜ楽しいのか?

学生時代、向田邦子エッセイに
出会って以来、いつも憧れ、
師匠のように慕い読んできました。

恋人の誕生日に、向田邦子さんの
ちょっと長めのエッセイ
「手袋をさがす」を原稿用紙に
書き写してプレゼントしたことが。
お金がなかったから…。
でも、恋人はなんだか
喜んでくれたような記憶がある。

その時に、
大好きな作家の文章を
筆写する面白さに気付きました。

一行めにこめる気迫の凄さ。
エピソードはどんな順に?
一人称は何にするか?

単語の言葉選びの凄さも、
非常に身に染みてわかった。
自分ならここは別の単語をチョイス
しがちだけど、
向田さんはこの単語を使うのかあ?
と唸りながら筆写していました。

黙読ではわからない、
向田さんの気遣いやクセ、
「、」を打つか打たないかも
実は読みやすさのために
気遣いされているのでした。

筆写は、面白い。
作者と会話してるみたいです。
作者の心を写しとるからかしら。

紙の原稿用紙に、が一番いい。
もちろん、スマホのメモ機能に
筆写してもいいでしょうね。
読むだけでは絶対わからない
作者の息づかいがハッキリわかる。
ちょっと案に詰まって休んだ箇所も
わかる気がしました。

そうだ、今日は久しぶりに筆写しよう。

向田邦子さんにしようかな?
佐野洋子さんの毒舌エッセーもいいな。
武田百合子『富士日記』はどうかな?
あの艶やかな文体の秘訣が掴める?
ああ、筆写をやってみたい作家が
たくさんいる。これからの人生は
まだまだ、楽しみがいっぱいらしい。
(笑)

それにしても、女性作家ばかりですね。
男性作家のエッセーは、
ウンチク自慢や批評がましくて、
筆写してても、ウザくなるんですね。

もちろん男性作家でも、
内田百間や伊丹十三、河合隼雄は、
自由奔放で粋でスタイリッシュだから
筆写しても楽しそうかな?
あれ、上の方々はなんだか
「おばさん」的だな(笑)。

エッセーには「女性性」が必要らしい。
女性が書く世界には、書いた人の
体温や体重がしっかり感じるから。
皮膚感覚がしっかり感じるから。

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