【ドラマ】ネット記事はなぜテレビドラマを酷評するのか?
「簡単に人の作品にケチを
つけるもんじゃないよ!」
そう叱られたことがあります。
以前、私が岩井俊二映画監督を、
やすやすと批判した時のこと。
「岩井俊二監督は
松たか子なら『四月物語』を、
中山美穂なら『ラブレター』を、
蒼井優なら『花とアリス』を、
作ってますよね。
岩井俊二の作品は、
本格的な映画というより、
主役女優をアイドルに見立てた
ミュージックビデオですよね?」
岩井俊二は、映画監督というより、
ミュージックビデオ専門の
映像作家レベルですよね?
というニュアンスを込めました。
まあ、イケメンだし、
女子にモテモテな岩井俊二に
嫉妬もした上での批評です(汗)。
ただ、私は軽率でした。
その場の話し相手は
テレビコマーシャルを専門とする
カメラマンでした。
紙のマンガ編集者の私より、
コマーシャルカメラマンの方は
岩井俊二に親近感もあったでしょう。
そのカメラマンは、
岩井俊二を馬鹿にした私を
叱ったのではなく、
何年もかけて他人が懸命に作った作品を
数秒で軽薄に批評しちゃう態度は
良くないよ!
それも、マンガ編集者なら
なおさらだろう。
そんなメッセージでした。
他人が何年も時間をかけ、
何十人も関わりながら作る
映画や映像ドラマを、
数秒で批判するのは良くない。
私はこの話をどこかでも
聞いたこともあり、
顔から火が出るような思いになり
その日は深く反省しました。
それにしても、です。
最近のネットニュースでの
テレビドラマ批判には、
いささか、やり過ぎ感がある。
ひどい。
そもそも、無料で
観られるテレビドラマを
バッサバッサと
批判してばかりの記事が
目に付く気がします。
それはある意味、
私がそうした記事をよく観てるから
かもしれませんが(汗)。
しかし、
お金がかかるネットフリックスや
ディズニープラスの配信ドラマを
ぼろくそに批評するネット記事には
あまり出会わないですね。
そっちは批判するより、
ワクワクさせる記事が
より見られるからだろうか。
配信ドラマは誉める傾向に
あるんだろうなあ。
でも、無料の地上波ドラマは、
8割以上が、非難混じりの記事ばかり。
そちらの方が、記事の閲覧回数が
多くなるのだろうか。
ドラマに出ている俳優や芸能人が
ひどい視聴率しかとれず、
苦戦しているというニュースを
われわれネット読者は
スキャンダル並みに
よろこんで見てしまうからか?!
私は、うつを経験して、
今はこんなふうに思うんです。
「良いことはいっぱい話しましょう。」
「良いことは大っぴらに書きましょう。」
「悪いことはあまり書かないで」
「悪いことは、こっそり話しましょう」
どんな作品にも
企画した人の想いや、
かかった時間や関わった人がいる。
ネット記事の多くは、
なぜドラマをボロクソに書くのか?
おそらく、そんな書き手や、
その記事をGOサインした編集者は、
創作をしたことがないに違いない。
創作した体験があれば、
創作品が本来かかえてる
想いや時間や人間の存在に
きっと気づくはずですから。
私が映画監督の岩井俊二氏を
軽く非難した時は、
まだまだ、半人前の
編集者だったんでしょうね。