今週の『テレビ千鳥』は最高。お笑いは泣かせてくれる時もある。
「バラエティ番組」という言葉は、
今まではあまり好きではなかったです。
ただ、情報を情報として
普通に流したらつまらないから、
再現VTRを作ったり、
旬のタレントを集めて
感想やコメントを言い合う形にする。
報道番組でもなく、
ドラマでもなく、
お笑いでもなく、
議論番組でもなく、
ある意味なにものとも呼びようが
ないから「バラエティ」と名付けてる。
つまり何でもあり、というか、
なんでも無し、ということでしょう?
先日、日曜夜、テレビ朝日で
放送された『テレビ千鳥』は
実に面白いバラエティ番組でした。
感極まり、涙が出て、そのあと
笑いがこみ上げ、ふっと素に戻る。
自分は一体何を観ているんだろう?
感情がカオスになり過ぎて、
心がどうかする感じ。
衝撃的な体験でした。
なかなか売れないで
苦労が長い中年芸人たちに、
正義のヒーローキャラクターを
考えさせ、それに自らなりきって、
カーテンから出て来て、
プレゼンするという骨子でした。
MCはいたずらっ子キャラの千鳥。
馬鹿馬鹿しい位、笑える
ヒーローキャラクターになって
中年芸人が出てくるにちがいない。
一種のキャラクター大喜利ですね?
かと思って観ていたら、
カーテンが開くまでに、
30秒VTRが流れました。
それぞれの中年芸人の奥さんや
子供さんが、パパいつもありがとう、
私たちには勿体ないくらい
いつも優しいパパ、大好きだよ、
そんな優しいVTRを直前に見せられる。
おかしな着ぐるみやマスクを被って、
さあ今から、お茶の間から
笑いをかっさらうぞって時に
その芸人の家族からの暖かい
感謝状みたいなVTRで、野心が萎える。
それを見終わる頃にカーテンが開く。
カーテンから出てきた中年芸人は、
みんな、笑いをかっさらう処か、
ぼろぼろ泣き崩れて、
考案してた決めポーズや決め台詞も
ぐだぐだになってしまって。
千鳥の二人や
テレビ制作側は一体、
どこまで計算してたんだろう?
この一連のぐだぐだは、
計算されて準備されたとしても、
予想を超えてしまったんだろう?
千鳥のうろたえぶりも
伝わってきました。
これはお笑い番組?
感動を狙った番組?
中年芸人の悲しさをしみじみ
味わわせる番組?
もうよくわかりませんでした。
こうなると、この番組は
「バラエティ番組」というほか、
ありませんですね。
お笑い芸人や
お笑い番組を作るスタッフには
普段はしっかり安定した
「お笑い」をもらっています。
でも、時々、これは
お笑いか、お笑いでないか、
もう区別も判断もできない時が
ある気がします。
感情がカオスになる番組、
たまに味わうのは悪くないですね。
ちなみに
『テレビ千鳥』の
「中年芸人の星は誰だ?」の回は
今ならまだTVerで、
無料で観ることができます。
今週土曜日まで、です。
よろしかったら。
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