【生誕100年】遠藤周作、純文学以外のオススメ10作品はこれだ?
今日は、キリスト教の救済等を
テーマにした作家・遠藤周作の、
オススメ作品を紹介したい。
とはいえ、生誕100年になっても
なお人気の高い作家だから、
当たり前に純文学を紹介しても、
つまらないでしょう。
それなら、というわけで、
純文学以外の作品で、
オススメのものを、
セットリスト風に紹介していたい
と思います。
つまり『沈黙』『深い河』や
『海と毒薬』『侍』『死海のほとり』
などは除いて、ということです。
それにしても、遠藤周作は
何でも書いて、一流な人だから、
すぐにセットリストは
埋まるでしょうね。
まずは、
①『死について考える』
光文社文庫
死について遠藤周作が考えた
エッセイ集。
今年読んだ本で一番良かった
かもしれません。
死について怖さはなくなりました。
死についてよく学べます。
②『わたしが・捨てた・女』
講談社文庫
今では完治する病とわかった
らい病の病院のボランティアに
取り組む学生たちの恋模様。
読ませる中間小説でした。
純文学とエンタメ小説の
中間のような作品を「中間小説」と
昔は呼びました。
この作品は、2度映画にもなりました。
③『人生の踏み絵』
新潮文庫
これは、このnoteでも、
何度も引用させてもらってきた
遠藤周作のエッセイ集。
遠藤文学の中核に肉薄している。
遠藤周作好きには、
手放せない一冊です。
④『砂の城』
新潮文庫
軽快でちょっぴり悲しい青春小説。
誰もが未来に夢を描く日々。
⑤『切支丹の里』
中公文庫
江戸時代の切支丹に縁の深い
九州を旅した紀行集。
遠藤周作がどこで、どんな風に
『沈黙』の着想を得ていったか?
裏話的な紀行を
自分も旅してるような気分に。
⑥『狐狸庵人生論』
河出文庫
遠藤周作は、軽妙なエッセイでは
狐狸庵というペンネームを
使いました。
そうして書いたエッセイから
人生論らしいものを一冊に。
そのほか『狐狸庵動物記』や
『狐狸庵読書術』なども
刊行されました。
『狐狸庵人生論』は、どれも
思わず目からウロコが落ちる
エッセイばかり。
⑦『周作塾』
講談社文庫
「読んでもタメにならない」という
サブタイトルがついたエッセイ集。
タメになるか、ならないかは
今も永遠に問われる話題らしい。
中でも『沈黙』や『深い河』を
書いた遠藤周作とは、
あまりに落差がひどいように
見受けられますが、
こうした作品を書く
ユーモラスさが厚みとなって
遠藤文学を支えていたのでしょうね。
⑧『ぐうたら人間学』
講談社文庫
タメにならない、どころか
「ぐうたら」を骨子とした
エッセイ集まで書けてしまう
遠藤周作は、活動領域が
360度はあったんでしょうね。
いつまでも遠藤文学が
古びないのは、こうした
ユーモラスを忘れない心からか?
⑨『私にとって神とは』
先ほどとはうってかわり、
超まじめな遠藤流キリスト教入門。
率直にイエスや宗教について
語っているから読みやすい。
⑩『愛情セミナー』
集英社文庫
遠藤周作は、こうした愛や愛情に
ついて何冊もエッセイ集を
書いていました。
なぜ人は人を愛そうとするか?
また、愛情はどうしたら
持続させられるのか?
愛情や嫉妬、恋愛などについて
やさしく語り尽くすエッセイ集。
私は個人的には、
『死について考える』と
『人生の踏み絵』と
『狐狸庵人生論』が好きで、
いつも枕元に置いてあります。
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