見出し画像

【創作】順風満帆な人は本が書けない?

人が本を書くには
色んな事情があるでしょう。

自分を救いたい。
誰かを救いたい。
なんて話をよく聞きますね。
他にも、
人生観のメッセージを伝えたい。
反戦のメッセージを伝えたい。

でも、どうもこれは、
キレイごとの匂いがします。

先週、バラエティ番組
「激レアさん」に登場した
作家・赤松利市さんは、
こんな風でした。
もうホームレス生活を
5年してすっかり疲れた日々。
もう60歳を越えていたある日。
赤松さんは思う訳です。
「自分の人生はこうやって
終わってしまうのか…」
「つまらない人生だったな…」
そう思った時、
手には文庫本がありました。
その時、赤松さんは
小説を書いてやろうとなったんだそう。

自分の人生がつまらないまま
終わろうとしている。
そのことへの悔しさ、情けなさから、
赤松さんは小説を書いたんですね。

このエピソードは、
ちょっとよく出来過ぎてる気もしますが、
キレイごとの匂いはしません。

つまらない人生から脱出したい、
その一念から本を書いた。

ホームレス生活をしながら、
空でも見てたのでしょうか。
悔しい気持ちがフツフツと
湧いてきたに違いない。

ゼロからのリスタート!
いや、マイナスからの
リスタートを誓った
瞬間だったに違いありません。

その頃には、それまでに
膨大な本を読んできたからか、
過酷な土木作業をしていると、
頭に、小説の文字が
原稿用紙20枚ぶんが
溢れてくる奇妙な体質に
なっていたんだそうです。

赤松利市氏のエピソードから
さて、どんなことが学べるのか?

まずは、たくさん
本を読んでおくこと(笑)。

それから、人生、
ドン底まで落ちること。

こんなつまらない人生で
終わってたまるか!と誓うこと。
もしも赤松さんが、
ホームレスになっていなかったら
作家にはなってなかったかも
しれません。

まあ、本を書きたいからって、
みんながみんな、50歳過ぎて、
ホームレスになる必要はないですが、
人生順風満帆すぎては、
小説なりエッセイなり論考なり、
良い本を書くことはできないでしょう。
不幸は時に、傑作を生むということか。

そういえば、 
私は昔から、将来、
ホームレスになるんじゃないか?
という不安をずっと抱いてきました。

友人からも、
お前は人生、破滅するタイプだよね?
と言われてしまう。
破滅型、無計画さがあるんです。

破滅型にはなりたくないけど、
それで優れた本が書けるなら、
一度は破滅してみようか?
いや、それはまちがった考えだな。
何よりも、
死んだ父や生きてる母に申し訳がない。

本は書けるが破滅する人生か?
本は書けないけど破滅しない人生か?
うーむ、これは難しい選択だ。
すぐには答えられませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?