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【行動】いい仕事は向こうから来る。大切なのは行動だけではない

「行動しない編集者はグズだ。」
30代、40代前半は、
テレビを見ながら、雑誌を読みながら、
友人と飲みながら、電車に乗りながら、
いつも企画を考え、なるだけ
即行で動くようにしていました。

今思うのは、あの頃は
ストイックだったかもしれないけど、
仕事を楽しんでなかったなあ(笑)。

それに、私が思い付いた企画なんて、
私が動かさなくても、
結局、誰かがやったでしょう。
つまり、ささやかな
パン食い競争だった訳で、
まあ、本となって書店に並ぶなら、
自分じゃなくても良かったんですね(笑)。
世の中は私の代わりはいっぱい
いる訳ですから。

私が今でも、あの企画は
実現できて良かったなあと
振り返られるのは、
鉄腕アトムの誕生日という
2003年4月7日に、
手塚治虫SF漫画のアンソロジーを
出させて頂いたこと。
それから、某女性漫画家さんに、
猫エッセーを書いてもらえたこと。
水木しげる先生が貸本時代に
書いた作品でアンソロジーを
出させて頂いたこと。

この3つは、今考えると
猛烈に企画をだしてはトライした…?
という訳ではありません。

色んなスタッフから、
ヒントになる話を聞いたり、
夜中に読んでた雑誌の広告を見て
ゆっくり温めていた企画です。

もちろん、
オリンピックやラーメンブーム等、
時節に乗っかり、急いで企画を
動かした漫画もありましたが、
達成感はあまりなかった。
どうせ誰かがやる仕事なんですから。
パン食い競争で勝つことと
いい仕事をするというのは、
実は違うんですよね。
今頃、わかってきました(笑)。

いい仕事、達成感が高い仕事は
ヒントは誰かからもらっていたし、
(私一人で考えだしたのではなく…)
機が熟すまでイメージを温めました。
大切な仕事で、拙速はよくないですね。

いい仕事はむしろ心や頭に
余裕を持って、ヒントやアイデアが
私のところまでやって来るのを
待っていた感覚ですね。

ヒントやアイデアをくれた人に感謝です。

それから、タイミングは、
向こうからやって来るのを、
的確にキャッチできるよう、
ゆとりが大切ですかね。

慌てる人は貰いが少ないって
ことわざも、ありました。

行動主義は万能ではない。
いい仕事には、ゆとりも大事ですね。

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