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【本屋】あ、この書店には死神がいる?天使がいる?

書店には、天使と死神がいる。

天使がいるお店に死神はいない。
死神がいるお店には天使はいない。

特に気づくのは死神の方ですね。
天使のいる書店はあまりに楽しく
存在自体に気づかない。

死神の存在に気づくのは
決まって、入店してから
10分くらいしてから、です。

最初は、本屋にやってきた興奮、
最新刊の顔触れを見る喜び等から、
彼らのことには気が回らない。

だんだんとお店に慣れ、
見たい棚も観てまわり、
さあて、この本屋さんは
どんな特徴があるんだろう?と
ふと我にかえるあたりです。

あれ?うん?なんだ、
この地鳴りのような微かな音は?

じいっと耳をすますと、
雑音が吸い取られてることに気づきます。
店員さんが挨拶しない。
店員同士で雑談もしない。
お客さんもはしゃいでない。
店員さんの作業する音だけが
かすかに響く恐怖。

あれ、なんだろう?
この痛々しい空気は?
お店全体が静まりかえってる。

もう次はここに来るだろうか?
それまでにお店が続いてるだろうか?
そんな心配も湧いてくる。

天井に何かがしがみついて
いそうな気配がする。
少なくとも、それは
縁起がいいものではないよう。

商いの死神?商いの悪魔?
こいつに憑かれたら、
やがて、閉店への道が始まる?
やばいお店のカウントダウンだ。

早く新しい店長に変わるとか、
棚担当が交代するとか、
プッシュするジャンルが変わるとか、
何かしら大小のチェンジが
必要なのは間違いない。

できれば、
書店の死神さんには
出会わずに一生を過ごしたいけれど、
そうも言っていられない。

時々、出会うんですよね。
特に、以前はもっと繁盛してた
本屋さんが、一体どうしてだろう、
久しぶりに行くと、
死神が呼吸する音がするんです。

ああ、こんなに品揃えもよく
一見、繁盛店に見えるのに、
スタッフの人手が
足りてないのか?
モチベーションが低いのか?
店長が悪いのか?
利便性が悪くて客足が悪いのか?
原因は一体なんだろう?

うーん、それがわかれば、
私ももっと、書店の閉店を
食い止めることが
できていたろうに。。。

私一人が毎日通って
いっぱい買ったとしても、
そのお店の死神を追い出せるだろうか?

兎に角、amazonでの利用を
控えることしか、浮かばないなあ。

まずは、村上春樹のエッセイでも
買うことにしよう。
たかだか、500円くらいだけど。

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