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【文庫化】ガルシア・マルケス『百年の孤独』が今月、文庫になる

今年は文庫界隈で事件が起きる!

ネットで、年始から
そんな話が出回っていました。

それがどうも、
ラテンアメリカ文学の
最高傑作と言われてきた
ガルシア・マルケスの
『百年の孤独』がとうとう
文庫化されるという話だった。
ハードカバー刊行から
50年以上になるらしい。

その発売日が
今月下旬とわかり、
ガルシア・マルケスの他の本で、
『百年の孤独』発売前に
こちらを読んで練習しておこう?
なんてオビがつき始めてきた。
商魂、たくましいなあ(笑)。

私はあまり『百年の孤独』の
凄さが分かってないから、
どうしてこんなに騒がれるのか
よくわかっていなかった。

もちろん、私も若い頃、
文庫ではなく、
ハードカバーの『百年の孤独』を
読もうとして、買って、
途中まで読んだりはしましたが、
ラテンアメリカ文学の良さが
あまりピンとこなかった(汗)。

文庫化されることが事件と
呼ばれるほど、
凄い本だったんですね。

そういえば、
あまり文庫にならない本が
読書界にはそれなりにありますね。

須賀敦子さんが
エッセイ本で取り上げた
マルグリット・ユルスナール
『ハドリアヌス帝の回想』。
白水社から出ている。
フランスの実力作家ユルスナールは
他にも、自伝三部作など
名作が多いですが、一冊も
文庫にはされていないですね。
ユルスナールは文庫化してほしいぞ。

また、ほかにも、
中世イタリアの修道院を舞台にした
壮大なミステリー『薔薇の名前』。
作者はウンベルト・エーコ。
これもまだ文庫にはなっていません。
東京創元社。上下巻。

文庫マニアには、
ユルスナールや
ウンベルト・エーコは
文庫化されにくいゆえに
謎めいた高貴さがあるように
感じてしまうんです。

だからか
ガルシア・マルケス
『百年の孤独』が
とうとう文庫化されるのは、
身近になるような。
高貴さが減るような。

そういえば、
現代アメリカ文学の覇者、
トマス・ピンチョンの作品も、
まだまだ肝心な作品たちは
文庫化されていない。

あ、そうだ、文学を離れてみると、
ユング『ユング自伝』や
フランクル『夜と霧』や
フランクル心理学シリーズなども
長いあいだ文庫化されていない。

『夜と霧』などの名著は
みだりに廉価で売買されるより
高貴さを保ち続ける方が
大切なのかもしれないなあ。

なんでもかんでも、
文庫化を求めるのは
間違っているのかもしれない。

それにしても、
『百年の孤独』。
文庫化される際は、
分厚くなるでしょうね?
あるいは、上下巻に
分冊させるとか、かしら。
とにかく発売日が楽しみ。
6月26日らしい。

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