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アメリカに20年前に住んでいる時、サンフランシスコでは新聞はサンフランシスコクロニカルを読みロサンジェルスではロサンジェルスタイムズを読んでいた。既にネット全盛の現代ではアメリカの市場は大きく変わっているだろうが、当時、地元紙の発行部数はどちらも60~80万部だった。全国紙はUSAトウデイ、ウオールストリートジャーナルのみで各300万部位だった。

日本に帰って来てタイ料理を始めるにあたって、当時の有効媒体は折込チラシだったので読売新聞、朝日新聞、日経新聞、神戸新聞を調べて驚いた。
発行部数は、読売1000万、朝日900万、日経600万、神戸80万部だった。A4の折込チラシ1枚を各社の販売店の配布地図に沿って折込を依頼する訳だ。
1枚1円80銭と記憶している。店の商圏が10万人としたら18万円必要となる。

当時のタイ料理はインテリ層に受け入れられていたので結果的に朝日新聞で年4回程度折り込みを行った。当時はそれなりに効果があったが、年がたつにつれて反響率が減少。5年後には反響率が半減した。色々調べると先ず各紙の購読者が半減しているが、新聞社は嘘の発行部数発表しているとの噂。
つまり、10万枚販売店のマップに従って折込依頼しても実際は5万部の折込で、残ったチラシは闇から闇に捨てられているのではないかと疑った。

そこで読売新聞の販売店に変更して折り込みを再開。暫くは反響率が朝日の最初の頃並に良好だったが、同じ様に反響率が減少したので爾後、折込は中止した。つまり新聞の発行部数がネットの普及と連動して『新聞』『NEWS』の名前と異なり新鮮な情報が見られなくなり激減していると判断した。

アメリカの様に、各州ごとのローカル紙として独自色を出すか、金融経済誌かタブロイド紙として特色を出すかしか、日本の新聞社は電子版を含めても生き残れないのではないかと思う。毎日新聞は聖教新聞の印刷をしていると側聞するし、読売、朝日は既に発行部数は電子版を含めても300万部程度に凋落している筈だ。自ずから新聞販売店の利益源である折込収入は激減中。

アメリカと比較するのは正しくないかもしれないが、共同通信や時事通信から全国、外国情報は購入、地元密着型の情報のみ記者を置いたローカル紙が10万部~100万部を維持。赤旗や聖教新聞は300万部を維持。日経はより専門色を強め、流通や産業など分散している新聞は併合して生き残るだろう。

問題は、朝日、読売、毎日、産経だ。今より思い切り左傾化するか右傾化するかOEMに特化して生き残るしかない。傘下のTV局も軒並み劣化が進む。数十年前の1000万部が今や300万部 そして連続ジリ貧。朝鮮日報や人民日報の日本語版を出すか、或いは廃刊の決まった夕刊フジの様なタブロイド新聞を出すしか道が残っていないかも知れない。大改革を望むばかりだ。


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