コロナ禍のアメリカ旅 Vol.3~Malibuの海~
車のGPS 、もしくは携帯のGPSで行き先を打ち込めば今は何処へでも行ける。アメリカ第二の都市、ロサンゼルスの五車線が交差するハイウェイにいても、渋滞を回避しながら道路を選び最短で目的地へ行く事ができる。わたしが若い時のように路肩に車を停めて地図を広げて悩む必要もない素晴らしい時代だ。
しかし、今はマスクが必要な時代になってしまった。小さな子供がマスクをつけて遊ぶ姿を見るのは忍びない。戦時中、ハワイ島の小学生だった義母は学校で自分の毒ガスマスクの付け方を習ったと言う。わたし達はどの時代に生まれても否応なしに、その時々の困難な状況を受け入れるしかない。
週末は仕事が休みの次女も加わって、わたし達はマリブに行くことにした。GPSの女性の声に従ってパシフィックコーストのハイウェイにのった。大都会から三十分も走ると一変して青い海のビューに変わる。ハワイもそうだがこのビーチ沿いも日本の様な磯の香りはしない。カラッとした空気の中をしばらく走り続けると左側にサンタモニカのビーチが見えた。ここにも寄りたかったが観覧車の辺りの人混みが道路から見えて諦めた。
マリブに近くなると、となりの車線に真っ赤なフェラーリを見つけた。オープンの2シーターでナンバープレートにUBRDRVRと書いてある。母音を抜いたその意味は、UBERDRIVER、ウーバードライバーだ。セレブの集まるマリブならフェラーリのウーバー運転手がいてもおかしくはないだろう。一体いくらチップを渡せばいいのやら。
マリブビレッジというショッピングモールに車を停めた。山が遠くに見えて緑も多く気持ちのいい場所だ。駐車場を囲むようにオシャレな店が沢山並んでいる。次女がランチに行きたがっていたオイスターで有名なレストランBroad street oyster company に向かう。かなりの行列で二十分は待っただろうか。大きなアウトサイドテーブルに案内されて私たちは生のオイスターとロブスターサンドイッチをオーダーした。オイスターにはレモンは勿論、ホースラディッシュとチリソースが添えてあった。フレッシュで臭みはなく、とてもおいしかった。ロブスターサンドイッチもバターたっぷりでプリプリの身がたくさん入って大満足だ。サイドのフレンチフライやチップスもとてもおいしかった。
お腹も膨れたところで今度はメインのマリブのビーチに向かって歩いた。いつも見慣れたハワイのビーチと違い、砂浜も大きくてゆったりしていて大陸を感じた。海水が冷たいのか泳いでいる人はあまりおらず砂浜に立てたパラソルやテントでくつろいでいる人が多かった。カモメや名前の知らない海鳥もたくさん飛んでいた。桟橋に行ってみるとレストランやかわいい店があった。年配女性が日差しを背にお茶を飲む姿もここなら絵になるから不思議だ。桟橋の突き当たりまで行ってみると釣り人達でごった返していた。どんな魚が釣れるのだろう。
わたしの娘たちはインスタ映えする風景に溶け込みながら写真をいくつも撮っては笑っていた。この旅行が終わったらハワイへ戻るのはわたしだけだ。しばらく会えなくなるので楽しい思い出をたくさん作りたい。
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