見出し画像

【メタ認知】どんな資格やスキルより最優先で習得すべきこと

これは私の経験談です。
私はメタ認知を20代の時に習得しました。
メタ認知を一言でいうと、「頭の中にいるもう一人の自分が、客観的な立場から、自分の言動を調整する能力」のこと。
習得までには3〜5年かかったというのが私の自己分析です。

これを聞いて、そんなにかかるのかと絶望しないでくださいね。
完全に習得するにはそのくらいの時間がかかるかもしれませんが、メタ認知を理解して行動できるようになるのは数ヶ月〜1年くらいです。

メタ認知を習得する期間は、過酷なトレーニングやダイエットのように辛さを我慢するものではなく、日に日に楽になっていくものだということを知ってください。それだけでもやりがいがあるし、認知の仕組みを理解すれば続けることは案外難しくありません。

確実に人生が上向きになるので、ここまで読んでくださった方はぜひ最後までご覧ください。

メタ認知を習得している人と習得していない人の違い

メタ認知を習得している人と習得していない人の違いは「冷静さ」にあります。メタ認知を習得すると、とにかく冷静になるのが早くなります。

人は誰でも感情的になることはありますが、メタ認知できる人は感情的になってもその感情を長引かせることはありません。
アンガーマネジメントと呼ばれる「怒りのコントロール」もメタ認知と相関関係にあります。

ですから、メタ認知を習得している人は、人と争いになることがありません。人と争いになりそうな状況を事前に認知し、他者と自分を俯瞰的に見て適切に対応することができるからです。(例えば、事前に争いを避けたり、適切な人に間に入ってもらう、などです)

他にも、メタ認知を習得している人は誰かの不機嫌が伝播しない、悪意のある人に騙されない、などその時の状況や感情に流されずいつも冷静に物事の本質を捉えることができます。

反対に、メタ認知を習得していない人は感情に振り回されがちで、客観的な判断や適切な対応ができないため常にトラブルのリスクがつきまとい、人間関係の悩みが尽きません。
そのため、精神的に追い込まれやすく、適応障害や鬱になるリスクも高くなります。

メタ認知(Metacognition)とは
自分の認知活動を客観的に捉え、評価・調整して改善する能力。

メタ認知の主な特徴
・自分の強みや弱みを把握し、現実的な目標を立てることができる
・冷静な判断や行動ができる
・柔軟に対応できる
・協調性が高い
・モチベーションが高い
・自分を含めた状況を客観視できる
・自己分析がうまい
・今考えていることが主観なのか客観なのかを認知できる


メタ認知を習得することのメリット

先ほど話した精神的なメリットだけでなく、仕事面でも大きなメリットがあります。仕事がうまくいく人や早くキャリアアップしていける人はメタ認知を習得している人が多いです。周りに流されず自分のやるべきことが見えていて、早くその目標に辿り着けるからです。

また、家族関係や親子関係にもいい影響を与えます。
「親としてはこう思う。でも子供の立場に立つとどうだろう?」
「自分が子供の時はこうだった。でも今の時代にはあてはまらないこともある」
といった柔軟な考え方ができるので、子供の気持ちに寄り添うことができます。子供も自分のことを理解してくれる親の前では安心して過ごすことができます。そして、メタ認知は子供にも連鎖します。(親子連鎖)

私はメタ認知習得の最大のメリットが家族関係や親子関係を良好にすることだと思っています。

これまでの話を聞いて、どんな資格やスキルより最優先で習得すべきことだということに納得してもらえたのではないでしょうか。

メタ認知を習得するために最初にやらなければいけないこと

ではメタ認知を習得するためにまず何をしたらいいと思いますか?
メタ認知に興味のある方はきっと検索サイトで色々調べられていると思いますが、一番最初にやるべきことは残念ながらどの記事にも書かれていないように思います。
それは、「自分の幼少期を振り返ること」です。

メタ認知は自己を正しく認知することができて始めてスタートラインに立つことができます。
ですが、多くの人は生まれ育った環境によって認知バイアスがかかってしまっているため、まずはその誤った認知バイアスを取っ払うところから始めなけれないけないのです。

認知バイアスとは
意思決定をするときに、先入観経験則直感などに頼って非合理的な判断をしてしまう心理傾向のこと

なぜ一番最初に幼少期の振り返りをやらなければいけないかというと、メタ認知トレーニングを行っている最中に無意識に先入観や固定概念に引っ張られてしまい、その認知バイアスから抜け出すことが難しくなるからです。

結論を言うと、メタ認知トレーニングで一番重要なことは、認知バイアスから抜け出すことなのです。

幼少期の振り返り方

いきなり幼少期を振り返ってくださいと言われても難しいと思うので、具体的にどのようなステップを踏めばよいかお話しします。

1.過去の嫌だった経験を思い出す

まず、幼少期の嫌だった経験をとにかくたくさん思い出してください。
例えば、先生に大勢の前で叱られた、親に叩かれた、話を聞いてもらえなかった、友達と喧嘩した、友達に無視された、嘘をつかれた、陰口を言われた、暴力をふるわれた、誰かをいじめた、誰かに怪我をさせた、誰かを脅した、嘘をついたなどです。
自分がされて嫌だったことだけでなく、自分が相手に嫌なことをした場合も同じです。(どちらも痛みをともなっているため)
幼少期は楽しかったり嬉しかった記憶より、苦しかったり悲しかった記憶の方が残りやすいと言われています。
まずは1つでもいいので思い出してみてください。

2.今の自分が過去の自分を認めてあげる

嫌だった時のことを思い出したら、その時の自分の気持ちを今の自分が認めてあげます。
「あの時は嫌だったね」「辛かったね」「よく我慢したね」「しょうがなかったよね」とそっと優しく抱きしめるように、幼い自分の想いを聞いてあげるのです。「でもあのときは自分が悪いことをしたから…」などという、誰かをかばい自分を否定する感情が湧き起こってきたとしても、「でも自分はすごくしんどかった」「辛かった」と言う気持ちを必ず優先させてください。
自分を一番大切に思うことがこのステップでは重要です。

3.過去の自分の感情と行動を認知する

そしてその後すぐにこのように考えてみます。
「あの時なぜ自分は嫌なことをされたのか(してしまったのか)」と。
例えば、「あの時本当は親に話を聞いてもらいたかった」という幼い自分の想いを引き出したら、次に「なぜ自分は親に話せなかったんだろう」と考えます。そうすると「私は話すことが苦手だった。伝えようとすると話を最後まで聞いてもらえずに否定された。否定されるのが怖かった。いい子でいなければ嫌われると思っていた。だからどんどん自分の気持ちを話せなくなっていった」というように、自分のその時の感情と行動を正しく認知します。

4.過去の相手の感情と行動を認知する

その次に、その時の相手はどう思っていたかを考えてみます。
「あの時の親はどう思っていたのだろう」と。
「親は弟のことで頭がいっぱいいっぱいだった。私にかまっている余裕はなかった。自分の思い通りにしてほしい気持ちがあった。親も初めての子育てをしていたのだから仕方がなかったのだろう」というようにその時の相手の感情を予想します。
その時の相手が取っていた行動も思い出します。

5.溢れてくるネガティブな感情を受け止め続ける

このように過去を振り返って自分の幼少期の気持ちに耳を傾けていると、自然と我慢していたネガティブな感情があふれ出てくるようになります。「そもそも親は人の話をさえぎる癖があって、それが私は嫌だった」など…。
そこで我慢せずにできるだけたくさん心の声を聞いてあげてください。
そしてまた同じように1〜4のステップを繰り返します。
私はこのとき、本当の自分の気持ちを初めて知り、衝撃を受け、涙が止まらなくなりました。
こんなに辛かったのによく我慢してたな…偉かったな…気づいてあげられなくてごめんね…と。


その時の状況と本当の自分の気持ちというのが認知バイアスのかかっていない正しい認知なのです。

そして、この幼少期の振り返りを正しいステップで行うことで、以下のことを知ることができます。


・自分も他者も(大人も子供も)、生まれ育った環境により認知バイアスに囚われていること

・その認知バイアス(間違った認知)によって様々な問題が引き起こされていること

・様々な問題は自分自身だけの問題ではなく、他者やその時の状況などが複合的に関わっていること

これらを常に頭の片隅に置いておくことで認知バイアスから脱出しやすくなります。
それでも無意識下では間違った認知をしてしまうことが頻繁にあります。
認知バイアスとは自分自身を作り上げているものであり、一種の「洗脳」のようなものだということを知っておくことが大切です。

まとめ

幼少期の振り返りのステップは、メタ認知トレーニングの最初にやるべきことでもありますが、習得までの期間中、繰り返し行うことでより自己分析を深めることができるので、何度も何度もやってみてください。

以上がメタ認知習得の基礎トレーニングです。
次の『日常生活でできるメタ認知トレーニング』も公開予定なので待っていただけると嬉しいです。


最後まで読んでいただきありがとうございました^^ もしこの記事が良かったら「スキ」や「シェア」をお願いします。 いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!