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初日の出号~ロープウェイ~バスVS船~特急あさぎり|乗り鉄夫との平成よくばり鉄道旅#3

 ほんとうに1999年に世界が滅びる前提で生きていました、じゅんぷうです。

 乗り鉄夫船&酒なわたしの20年も前の過去の旅日記シリーズ。

 ①東北旅行②瀬戸内旅行と詰め込み放題でしたが、今回はライトに?鉄分少なめの日帰り旅です。

伊豆に初日の出を見に行きます。

 年は明けて1999年。ついに迎えた1999年のはじまりの日、わたしたちは初日の出を伊豆で見ることにしました。

 平成11(1999)年1月1日 4:17品川発、下田行き「伊豆初日の出号」に乗車。この臨時列車で伊豆方面に帰省するような様子の人もいますが、大半は浮かれた乗り鉄や撮り鉄のようです。途中、伊豆急の若手社員さんが獅子舞で車内を練り歩くというイベントが発生。噛んでもらいました。

 6:58 初日の出を見るため片瀬白田駅に停車し、降りて海岸まで歩きます。ちょうど日が出るあたりの水平線にはうっすら雲がかかっていましたが、おかげでまぶし過ぎずに拝むことができました。さすがに早朝の海岸は寒くて、駅にもどったら伊豆急さんからお茶やおしるこのサービスがあってありがたく、妙な連帯感もあってほっこり。

 7時半過ぎ、終点下田に到着しました。高校生~20代前半の夏はここ下田の白浜海岸にくり出していたじゅんぷう、初めまして冬の下田。白浜時代にはディスコ!もあったけどどうなったでしょう。駅を出てすぐのロープウェイ乗り場から寝姿山の山頂まで3分ほど。海方面は雲がかかっていて、伊豆七島までは見渡せませんでしたがお正月の観光地感を味わって下山します。

伊東マリンタウンHPより。晴れてたらこんな絶景

 下田駅で焼松前寿司とあじ寿司を買い込み、伊豆半島の反対側、堂ヶ島行きの路線バスに乗り込みます。ちなみに、わたし路線バスが苦手です。酔います。まちなかのちょっとした移動はともかく道のりを把握していない旅先ではできるだけ避けたい移動手段なのですが、このあとアップダウンとカーブつづきの伊豆で1時間も…! じつは夫は乗り鉄の仮面をかぶった「バスちゃん」でもあるのです。※バス好きの呼称、よくわかりませんがうちではバスちゃんと呼んでいます

 ようやくバスから解放されて堂ヶ島です。堂ヶ島というとじゅんぷう的にはいつになっても「レモンスカッシュ4人組」なんですよね。「キャンディ・キャンディ」でおなじみいがらしゆみこ先生によるキャンディ前の作品で、子どものころ、従姉妹だったかお隣りのお姉さんだったかに普通のコミックスより小さくて薄い単行本をもらって読んでいました。

 小さくて薄い単行本

 小学6年生のなかよし男女4人組。紅一点で大事にされているプリンセス、光源氏のように完璧ハイスペックイケメンのヒカゲン、やさしく控え目な苦労人イケメンのラビット、浅はかでクズなHブーという、さわやかなレモンスカッシュのような…え…さわやか…? 
 ニックネーム含めて疑問だらけの設定の4人組を美少女転校生ピカがかき回してくる学園もので、今も気になるエピソードがいっぱい。ピカが現れたことによるプリンセスの葛藤、無法者ピカ、そんなピカに好かれたいHブーのネガティブパワーで、いやな事件がいろいろと起こるのですが…自分の出生の秘密を知り絶望したヒカゲンが家を飛び出して、雨の堂ヶ島でなんと睡眠薬飲んじゃうですよ。たしか楽しかった思い出の場所。助かったけど壮絶すぎる6年生。それがわたしの中の堂ヶ島です。どうなったかなあ4人組。 

 その絶望の堂ヶ島で洞窟見学の遊覧船に乗るつもりだったのですが、本日波高のため洞窟には行かず島めぐりだけとのこと。船には強いけどバスに負けて吐く寸前だし遊覧船はパスして休憩。次の目的地、戸田行きの船を海風にあたりながら待つことにしました。バスもあったんだと思いますが、もう無理。夫は熱帯植物園にも行きたがっていましたが、ぜったい無理。

 堂ヶ島マリンHPより。これは洞窟クルーズ

 伊豆でも下田や熱海のほうと、こちら西海岸ではだいぶ人の雰囲気も違います。ソフトクリームを食べながら船を待っていたら物売りのおばちゃんに「だあら~」と話しかけられました。「アイス食べるなんて熱がある」と。

 バス酔いも落ち着き、駿河湾を戸田港に向かって高速船で出航します。波が高くエキサイティングな船旅。今は運行されていないみたいです。戸田では日帰り温泉で初湯をいただきます。地元の人たちでにぎわっていて、湯上りにいちご牛乳を飲みながらテレビで箱根駅伝を見ていると親戚の集まりみたい。

 港方面で「カニ汁」の看板に誘惑されてカニ汁、サザエの壺焼き、赤海老の醤油焼きで今年最初のお酒を楽しみ、今度は沼津行きの高速船に乗ります。船のデッキで新婚中国人にカメラのシャッターを押してと頼まれ、せっかくなのでこちらもお願いしました。こういう交流も今や懐かしいですね。

 現地ではバスVS船だった旅も終わりです。沼津から新宿行き特急「あさぎり」グリーン車で帰ります。駅弁の鯛めし弁当をおつまみに、またお酒。ちょうど電車が御殿場駅に着いたときです。ホームの人々の視線を浴びているそのとき、夫が手にしていた鯛めしがわたしに降ってきました。ぽろぽろのフレークの鯛と、ごはんがですよ。雪かしら。これ「レモンスカッシュ4人組」だったら事件に発展してます。そんな元日の日帰り旅でした。

 ✦うっかり者の乗り鉄とうっかり結婚してしまった私のうっかり旅行記
お読みいただきありがとうございました。次は真冬の「北陸」編です✦

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