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無意識にしてること、意識してることの話し

僕は寝相が悪い。

目覚めると体の向きが斜めになってることもあれば、寝たはずの方向から逆になっていることもあるし、マクラが頭の下にないことも多い。1年に一度、あるかないか程度だが下着まで脱いでしまっていることもある。

今日も寝てる間、無意識に君のお腹を触っていたようだが全く記憶にはなかった。

「ねぇ。、私を触ってたの覚えてる?」


君はよくこう問いかけるがもちろん寝てるので覚えてはいない。僕をただただ困らせようとしてる君の冗談か嘘なんじゃないかと思うほどである。

聞いて欲しい。

出来ればちゃんと起きてる間に君に触れたいと思うのが自然なこと。よって寝てる間に触るはずがないというのが僕からの言い分である。僕は触っていない。
それでも僕はやっていない。触るならお腹ではなく胸またはお尻である。よって僕は触っていない。


君が淹れてくれるコーヒーが好きだ。

近所のコーヒー豆屋さんで200gずつ買う、マンデリンハイローストが好きだ。豆をゴリゴリと挽く音が、まだ布団から出られないでいる僕に届く。寝起きは濃く、苦味の強いコーヒーがあれば何もいらない。

いや、トーストとサラダと卵なんかもあれば最高だ。

ゆっくり時間をかけて淹れたコーヒーと、適当に大急ぎで入れたコーヒーとでは全くの別物で、意識してることが味に現れている。少量でいい。お湯のような味のしないコーヒーの絶望感を僕は知っている。それが大量であればなお絶望する。

日常の中の無意識な行いをもう少しだけ意識してみようと思う。無意識にやってることが実は沢山あって、その一つ一つを意識すると日常はちょっとだけ良いものになるように思う。

それでも僕はやっていない。

週1ぐらいの君への無意識には罪はない。無意識に出てしまう君への愛情であり、優しさである。

そう思いたい。

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