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作文とナラティブ・アプローチ #01

「ナラティブ・アプローチ」という言葉があります。

ナラティブとは?

ナラティブとは、物語やストーリーのことを指します。人生や経験などの出来事を、物語として語り、共有することで、自分や他者の理解を深めることができます。

学校で、子どもたちの姿を捉える時、教師はどうしても「教師の物語」で捉えがちです。しかし、子どもには、「子どもの物語」が実はあります。

例えば、ノートに板書を書かない子どもがいたとします。それを、教師が「やる気がないなあ。」「授業が難しいのかなあ?」「この子にとって難しいのかなあ。」と捉えます。これは、「教師の物語」で捉えているということです。

しかし、実はこの子は小さい頃から「自分の字が好きになれない」、「いつも書き順で叱られ続けてきた」という、「この子だけの物語」をもっていて、ノートを書かないという選択肢を取っているのかもしれません。

そして、この「相手の物語」に目を向け、関係性を向上し、相手(教育の現場であれば子ども)の発達を支えていく手掛かりを探るのが「ナラティブ・アプローチ」です。

作文教育は、「子どもの物語」に目を向ける一つの有効な方法だと考えています。

子どもの書いたものを読む=「子どもの物語」に目を向ける

私がずっと実践を続けている作文教育では、子どもに日記を書いてもらい、それを教師が読み、教師の返事である「赤ペン」を入れます。(※赤ペンについては過去の記事参照)

中には、普段なかなか語らないようなことを書いてくる子、教師の知らなかった子ども同士のやり取りを書いてくれる子もいます。

子どもが「書いたもの」を読む、という実践をすること自体が、「子どもの物語」に目を向ける入口をつくってくれます。

では、実際に子どもたちはどのようなものを書き、教師はどのようにその物語を捉えるのか、そしてそれはどのような良い影響を子どもや教師に与えてくれるのか、次の記事でお伝えしたいと思います。

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