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地域には「何もない」は「何もみてない」という事。あるもの探しをはじめよう。

皆さんは、まちづくりとは誰が担うものだと思いますか?

自治体でしょうか? それとも企業? ボランティアと答える方もいるかもしれません。ただし、どの答えも当てはまるものではありません。

国土交通省が2019年に発表した資料「新たなコミュニティの創造を通じた 新しい内発的発展が支える地域づくりについて」では、地域を支える担い手の育成と確保に関して、

「地域に住む一人一人の住民自身が、地域における学習や対話を通じて、地域社会に存在する多種多様な課題の存在を認識するとともに、自身が地域社会を支え、また地域社会から恩恵を受けているという、社会の構成員としての当事者意識を持つことが必要」

と示しています。一言でいえば、私たちの一人一人が担い手であるということです。

「人材がいない」のではなく、「人材が活躍できる場がない」

ところが、私は全国各地を訪ねる中でよく「この街には人材がいない」という話を耳にしてきました。キーマンとなる人材がいないため、まちづくりが進まないというのです。

一人一人が担い手であるはずですが、残念ながら当事者としての意識は希薄でした。

地域には元々、多様な人材がいます。私は「人材がいない」のではなく、「人材が活躍できる場がない」ということだと思います。

安心してチャレンジができ、仮にうまくいかなかったとしても「ナイストライ!」と声をかけあえる、支え合える場を作れば、人材は大いにその能力を発揮します。

ふるさと納税が4億円から19億円に増加

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私が代表を務めている宮崎県新富町の地域商社「こゆ財団」では、町から委託を受けてふるさと納税の運営事務を行っています。

担当者は20〜40代の3名で、そのうち2名はふるさと納税に関する知識が何もないところから業務をスタートしています。ネットショップ運営やマーケティングなどの知識やスキルを持っていたわけではありません。

それにも関わらず、このチームは1年後、ふるさと納税寄付額を9.3億円(2017年度)に伸ばしました。前年度が4.3億円でしたから、伸びは2倍以上です。それでも成果を出せたのは、彼らがチャレンジできる環境を用意し、どうすれば寄付額を伸ばすことができるかを学ぶ機会を提供したからです。

Google社も「チームの生産性を高めるには心理的安全性が最も重要」と発表しています。これは企業だけではなく、すべての組織、コミュニティに通じることだと思います。

ないもの探しはやめて、あるものを生かす

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どの地域にも光るものがありますし、光の当て方によっては大きな価値を発揮するものもあります。

例えば、こゆ財団は新富町の特産品であるライチをブランド化しました。初年度(2017年度)は約400セットだった販売数は、2年後の2019年度には約1800セットまで伸びました。

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