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染まっていない人の意見は突き刺さる

「いろいろな意見を出してほしいから
いろんな立場の人をプロジェクトに入れました」

ということではじめた会議だった。

メンバーを選出しただけあって
これまで出てこなかった、斬新なアイデアがたくさん出た。

でも、その意見に対して
「それは難しい…」「それには、2年はかかる…」と
即座に言っている管理職の私がいた。

「もっと、この職場の根幹の部分に手をつけるべきだと思うんです。」
昨年転勤してきた、歴の浅い若者が発言した。

それに対して
「根幹でないのはわかっているけど
今できることを、できる範囲でやって実を取りたいと思って。」

「それ以上のことは、この組織では無理だと思うから
僕も、枝葉の部分をやりたいと思っているんじゃないんですけど
いつの間にか、あきらめていました…」

と自分の思いを吐露する新卒以来10年弱、この職場にいる若者がいた。

会議でのやり取りから
諦められるような組織と思われていて、いいのか…?
若者に折り合いをつけさせてる組織で、いいのか…?
と自分に問いかけた。

昨年、転勤直後は
私自身も違和感をもっていたところが、たくさんあった。
それが1年経つと
組織内でできることしか、選択しなくなっていた。

この組織では、物ごとを通せるのかどうかは
管理職の覚悟ひとつだ。

自分ごとながら
「人って、順応していくんだな…」と
人の順応力への関心と
自分への情けない思いとが入り混じる。

歴の浅い、染まっていない人の意見は
その組織に馴染んでいる人に
時として、鋭く突き刺さる。

私の心に、グッサリ突き刺さった。

気づいたのにやらないのは、私の性に合わない。
周りをごまかすのも嫌だけど
自分をごまかすのは、一番嫌いなことだ。

「…やってみるか。」

あぁ、また、自分で大きな仕事を作ってしまった。

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