【エッセイ】100パーセントの女の子との、100パーセントの日曜日
2021/1/24
今日は日曜日。窓の外では冷たい雨が降っています。みなさんがお住まいの地域ではどうですか?
今日は朝、大好きな彼女から連絡がきた。
「今日暇だから遊びに行こう。映画でも観に行こうよ」
僕はとても嬉しかった。最近そっけない態度を取られることが多かったから心の片隅にいつも不安があったんだ。そのメッセージを読んだ時の僕の気持ちはまるで暗い部屋から朝日を眺めた時みたいに眩しくて嬉しかった。
僕たちは映画を観るために、雨が降る中の渋谷を歩いた。
一つの傘に肩を寄せ合って入るようにして。まるで付き合いたての頃みたいで楽しかった。僕の右肩が濡れるのなんて気にならなかった。僕は雨が好きになった。
僕の大好きな彼女の笑顔がたくさん咲いた。彼女の笑顔につられて僕も笑顔になる。とても幸せだった。
映画の内容はあまり覚えていない。スクリーンの光に照らされた彼女の横顔ばかり眺めていたから。
それに暗闇の中でそっと手を繋いだ彼女の手の温もりが僕の胸をドキドキさせた。繋いだ左手から僕のドキドキが彼女にバレてしまうんじゃないかって心配だった。
でも、それもなんだかくすぐったいような気持ちで楽しかった。
映画を観終わってから僕たちはおしゃれなカフェに入っていろんなことを話した。
僕はブレンドコーヒーを、彼女はホットカフェ・オ・レと季節のショートケーキを注文した。
僕のつまらない冗談にも彼女はコロコロと楽しそうに笑ってくれた。唇の端にケーキの生クリームをつけたままの彼女がとてもかわいくて、愛おしくて。
完璧なデートだった。100パーセントの女の子との、100パーセントの日曜日。
みなさんももうお気付きだと思いますが、まだ日曜日の午前中に僕はこれを書いています。つまり、上に書いたデートは全部僕の妄想です。妄想日記です。
だってもう彼女はいないんだから。
それではみなさん、素敵な日曜日を。
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