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「ウクライナ紛争で食糧危機」の本当

< サルでもわかる世界経済 >

「ウクライナ紛争で食料危機」の本当

※2022年5月29日オンラインサロン投稿記事

小麦の輸出大国として世界第5位、トウモロコシは2021年に第3位であるウクライナ。
ウクライナ紛争で黒海を閉鎖され、現在約2500万トンの穀物が運び出せずにいます。

現在、穀物相場は高騰、肥料は値上がりを始めています。
日本以外の世界はインフレが進み、食料価格は上昇を続けるといわれています。

現在は、異常気象が世界で起きており、中国は商売をやめて国内に大量の食料を備蓄し始め、インドでは小麦の輸出を一時停止しました。

=現在の日本、食糧自給率=

カロリーベースで日本の食料自給率は、37%。

現在食品の値上げが伝えているのは、ウクライナ紛争で小麦の価格が上昇し、政府買付け小麦を製粉業者に売り渡す「売渡し価格」が、この4月、前年10月期と比べ17.3%も引き上げられ、更に、そこにエネルギー価格の高騰や円安も加わり、スタグフレーション(経済が停滞して、給与が上がらないのに物価が上がる、悪いインフレ)の兆しがでてきています。

政府は一応、食料自給率を上げようとしていますが、どうしてか、なかなか自給率だけは、決して上がらない…何故なんでしょう?
それは、アメリカが許してくれないからなんです。

お年寄りに聞いたことがあります。
第二次世界大戦の時、日本があれだけ復興が早かったのは何故か!?

「そりゃ、あの当時、田舎の人はもちろん、都会に住む人もみんな田舎があって、米の作り方を知ってたからなー」

なるほどです!!
現在は、大変厳しいと言わざるを得ません!!

日本は現在、食料の60%以上を海外からの輸入しています。
その依存先の最大手がアメリカなんです。

農林水産省によると、2021年に農産物の輸入が、金額ベースでは、アメリカ1兆6411億円(23.3%)が最も多く、つづいて、中国10.1%、カナダ6.9%、豪州6.7%、タイ6.2%…

中国からは、冷凍野菜や鶏肉調整品だけど、アメリカからは穀物や牛・豚肉などの主要産業のものが多い。

ウクライナの影響で小麦の値段がかなり上がっている現在、その8割以上を輸入している日本は、アメリカに45.1%、カナダ35.5%、豪州に19.2%依存している。
トウモロコシは、ほぼ全部海外輸入もので、アメリカからの輸入が、なんと72.7%を占めています。
自給率が比較的高い大豆(それでも21%)も、その7割以上もアメリカから買っているんです。

牛肉は豪州40.5%、アメリカ42.2%でこの2カ国で8割を超えている。
1番マシなのは豚肉の自給率は50%(^◇^;)

何故、こんな事になってしまったんでしょう?

=日米安保条約について考える=

始まりは、新日米安全保障条約。
サンフランシスコ講和条約と同時に締結された日米安保条約は1960年1月に改定されます。そこには安保と引き換えの経済協力条項が盛り込まれました。

日本は生産性の高い工業製品を安価に、そして大量にアメリカ市場に売り込み、その見返りにアメリカから安価な穀物を輸入しました。
この対米輸出入型の貿易構造は、オバマ政権時の中国、アメリカの関係と似ています。
違うところは、角度の広い中国はアメリカに農産物も売って儲けたという点です。

=戦後の食糧自給率は80%=

戦時中の食料不足に苦しんだ日本は、戦後、農地解放をして地主と小作人という関係をやめました。みんな自分の土地をもらって頑張れば、自分が豊かになれる…そんな仕組みを作りました。
当時、日本の食料自給率は80%近くにまで爆上がり!!やればできるんですね!

しかしこの日米安保条約改定によって、1960年以降はドンドン自給率は下降していきます。
平成で50%、令和になって37%を記録します!
GHQが、学校給食にパンと牛乳を普及させ、肉食を推進したのは有名な話です。

戦後復興の時、徹底的に食糧支援してその後を手なずける…これをマーシャルプランと言います。

マーシャル・プランが積極的に行われたのは、第2次世界大戦で戦場となったヨーロッパです。当時のアメリカの国務長官ジョージ・マーシャルは、ヨーロッパ諸国に対する復興援助計画正「欧州復興計画(ERP)」をたてます。
これが通称マーシャルプランです。

第2次大戦中、アメリカは国家を挙げて食料の増産を図り、ホワイトハウスの敷地内にまで畑を作りました。

何故、そこまでして??
それは米国内の食糧自給率向上のためではありませんでした。食料が武器になったんです!

これにより、米ソ冷戦が確定したと言っても過言ではありません。

アメリカも戦勝国ですが、ソビエトも戦勝国!
戦後アメリカはヨーロッパにソビエトが進出してくる事を恐れました。
どうすれば西側諸国を味方にできるだろう?アメリカは大西洋を挟んで遠く離れているし、立場は不利でした。

アメリカは食料を中心に1947年から52年にかけ総額130ドル以上の援助をヨーロッパに対して行いました。

これによりヨーロッパのドル不足を解消させ、食料でアメリカに依存させようとしたわけです。
これは戦時特需の、消えたアメリカ経済を支えたんです。

これに対してソ連側の東ヨーロッパの国々は、マーシャルプランを拒否!1947年にコミンフォルム(共産党情報局)という東側諸国に対する締め付けと監視をする団体を作ります。さらに、マーシャルプランに対抗して、1949年コメコン(経済援助相互会議)を作ります。

これにより世界の東西対立は経済的側面でも確定して長期化し「冷戦」となっていくわけです。

=頑張ったヨーロッパ!アメリカの余剰!=

戦後も10年が経つと、ヨーロッパは、あっという間に食料自給率を高め、陸続きのメリットもあり地政学的に食料供給を互いに助け合って可能になってきます。

そうなると、アメリカの増産体制は、無駄になり、農産物の売り先がなくなったんですね!
無理に農業を推進してきた反面、今さらやめろとも言えない…国民感情を和らげるためにアメリカ政府には新しい市場が必要になったわけです。

そこで日本が目をつけられたました!

ところが、アメリカが作っていたのは、西洋文化に必要な、小麦、トウモロコシ、大豆などでし
そこで政府に圧力をかけ、マスコミを使ってパン食はおしゃれ!牛乳は背が伸びる!などと宣伝して、日本の食生活を変えるアノ政策が行われたわけです。

日本は食料自給率の低下の鞭と引き替えに、飴である日米新安保を手に入れたんです。

=安保と引き換え!
永久に自給させてたまるか!!=

アメリカ農業と安保の引き換え…
とは言っても、確実に軍を派遣するとは書いていない。ウクライナのように武器支援だけの支援になるでしょう・・・
こんなことが条件で、農作物を買い続けてくれる日本ほど確実な市場はありません。
自給率を上げさせるわけはありませんね!
1971年ニクソンショックで金本位制をやめて変動相場制にしていきます。
当時アメリカは、高度経済成長で飛ぶ鳥を落とす勢いの日本も、自給率が下がり、アメリカ産のものを買うほどに貧乏になるだろうと予想しました…ところが!

=80年代、躍進する日本に怒るアメリカ=

1980年代になると、日本は国防、食料自給率など全てを他人任せにして、世界最先端の工業的な躍進果たします。
そして円安ならば世界の人が買うだろうと、ウォークマン、燃費抜群の自動車、そして良質共に世界一の半導体などなど、世界中に売りまくって、逆に大発展してしまうんですね!
安いのにあり得ない高品質!それは売れます。

=90年代、牛肉とオレンジ輸入自由化=

アメリカは、対日貿易赤字を抱えるようになります。潤う日本に、厳しく市場開放を求め、日本車に高い関税をかけ、アメリカの農産品をもっと買えと迫りました。
「どちらが戦勝国かわからない」と発言したアメリカ政府の関係者もいたそうです(^_^;)

ついに日本は1991年、国内農家の保護を諦め、牛肉と柑橘類の輸入自由化に踏み切りました。

=2000年以降、TPPと米中貿易戦争=

アメリカのTPPにも、農産品だけは別と聖域を設け、ついには言い出しっぺのアメリカが、アメリカファーストのトランプ政権の時、TPPからの離脱を宣言!

日米貿ニ国間易交渉の末に「日米物品貿易協定(TAG)」で日本はアメリカの傘下に入ります。
アメリカは大きな枠組みで話し合うのを嫌います。例えば極東問題を話し合うにしても、米中、米韓、日米…と個別に条約を結んでいきたいわけです。
こういうやり方を「ハブスポーク構造」といいます。

トランプ政権になると米中貿易戦争が始まります。中国がアメリカの農産品に報復関税をかけて買い取りを拒み、売れ残って余剰となったトウモロコシ約250万トンを安倍政権が買い取りました。

=そしてウクライナ紛争、
秋から食糧不足?=

ウクライナ紛争で日本の岸田政権は、NATOでもないのにハッキリとアメリカについて行く判断をしてロシア制裁を宣言し、ロシアの準敵国になってしまいました。

ここでロシアのプーチンさんと話ができる日本人は37回も直接会った事があり、下の名前で呼び合う仲だった安倍さんだけでしょう。

世界の食糧危機を日本が防ぐ事ができるなら、それは歴史的な出来事なので是非考えてみてほしいことです。今、プーチンさんを次の指導者に変える動きがあると聞いています。

報道とは逆に事実上ほぼ戦争が終わっているウクライナ紛争は、圧倒的な力の差でロシアが勝ちました。

現在、ウクライナは、ロシアだけでなく、ポーランドにも部分併合され、かなり小さな内陸国になる可能性が出てきています。(これについてはまた詳しく話しますね)

これにより全ての燃料の値段が上がり、食料輸入国の日本はピンチになっていきます。
飼料の値上がりで秋からは食料不足が懸念されているのです。

ここで書いてきたように食料の自給率を上げるには、世界情勢とその歴史の背景を理解しないとその努力は徒労に終わります。

本当の意味で独立した国家にならねば、本質的な自給率アップは出来ない…いやさせてもらえない構造がみえてきたのではないでしょうか?

ウクライナの真の独立が実は、ネオナチの裏にいるアメリカにより阻まれているのと同じように、日本は安保だけではなく食料の面でも完全に支配コントロール下にあります。

この根本的なところを理解し、真の独立を目指していかないとウクライナのように両端から国を割譲され未来の子供達に国を残せなくなっていくかもしれないのです。

=では…

私達は、自然農や食料自給率に対してどうすれば良いのか=

自然農や家庭菜園が大ブームです。
しかし、それが単に自分のためだけならば、僕のいう本質的な「EART LIFE=天然芸術」的な生き方とはいえません。
●EART LIFEとは?

歴史を知り、世界情勢を理解し、未来世代のために何が必要なのかを理解して行動していくのが、「EART LIFE流」なんです。

僕のオンラインサロン内で、メンバーの一人が取り上げてくれていた話なんですが、「奇跡のリンゴ」で有名な木村秋則さんは、不可能と言われた完全無農薬りんごを栽培し、その本をオノヨーコさんが読んで、感動して、自費で英訳してアメリカで出版しようとした時、直前で差止めを食らった…。

● 『奇跡のリンゴ』木村さんの本がアメリカで発禁、“アノ企業”の圧力か!? 「命が狙われる…」翻訳者オノ・ヨーコも警告の真相暴露!

日本の底力は、世界で恐れられている訳です。

実は日本では、2100年頃に、人口7000万人ほどになることは検証から確定しており、今の自給率でちょうど良くなります。

つまりこのことから見えてくるのは、食を守る日本の役割です。

世界は愚かなことに食を遺伝子組み換えと農薬で人口削減し、ワクチンパスポートとベーシックインカム(つまり、支給制)で人類完全家畜管理にしていこうとする勢力が存在しています。

そんな悪巧みを私達はしっかり注視して世論で排除し、具体的にできるだけ多くの人が様々なパターンで農的な暮らしに関わる事をしていかねばなりません。

この両方で、国の食料依存体制から脱却していけるように、市民が努力して政府を監視していきましょう!

でないと、どんなに無農薬農業を個人でやって成功しても、ある日突然潰されてしまいます!!

=地球の役割として、日本の農業を育てていく=

正しい地球と共生して生きていける真の農業を超高度レベルで高めていって、種とノウハウを守る技術輸出大国を目指していく!!
縄文時代から自然と共生してきた日本の知恵を復活させていきましょう!

そんな大志をもって、未来世代のために地球に優しい農業を見つめていく…これが最も大切な事だと考えています。
そして、それが日本人としての世界に対する必然の役割なのだと考えられます。

地球の役割のため、まず第一段階として真の独立国を目指すのだということをしっかり理解し、日々の活動をしていく…これが農業に対する根本的な必然なのだということを覚えておいて下さい!

●筆者・JUN AMANTO

幼少より武道武術をたしなみ、スタントマンから大道芸人を経てパフォーマーに。
世界を旅するうちに日本人独自の運動特質と環太平洋の古い部族の動きを各地の格闘技、伝統舞踊学び、研究しその共通点を編集、独自の哲学をもとに傾舞(かぶくまい)を創始した。
アートパーフォーマンスとして、単独で古民家の公開改装パフォーマンスを行いカフェ、サロン・ド・アマントを設立。 中崎町を中心に、アートスペース等活動拠点を展開中。

●オンラインサロンEART LIFE LABO

この記事は、JUNが代表するSalon de AManTo天人のオンラインサロンEART LIFR LABO掲載の抜粋で、一部特別公開しました。地道な活動ですが、世界情勢から哲学など様々な記事が毎日更新されることはもちろん、オンラインサロンを中心に様々な分野、様々な立場から具体的に社会を良くしていくアクションを実施しています!月1000円からメンバーシップもありますので是非ご検討ください。



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