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チームの使命を達成するために必要なことを実行する人とは

こんにちは。タイミーの竹内です。

先日、伊賀泰代さんの名著『採用基準』を読みました。

繰り返し読んでいるうちに、この本に対する感想を書きたくなり、自分の実体験を踏まえながら内容をまとめました。

背景として、僕の所属する組織は、全員が『採用基準』に書かれている「リーダーシップ」を習得しようとしています。

結論、この本では、チームは全員がリーダーシップをもつことが重要だと説いています。
それは、一部の人だけがリーダーシップをもつよりも、圧倒的に高い成果が出しやすくなるからです。

そんな中、僕はリーダーとして、今年12月に達成したい成果目標を掲げました。
これは中期計画のため、全員が理解できるように、目標の内容を共有し続けています。
最終的には、達成感や高揚感を得られるように意思決定しています。
今回はこれらの内容を詳しくお話しできればと思います。

問題解決スキルではなくリーダーシップ


今の時代、「これが正しい答えです」と書かれた紙(提案書)に多額のフィーを払う企業は存在しません。 顧客の企業価値の向上を実現するには、解決策を検討する段階から組織の中に入り込んで現場スタッフの信頼を獲得し、 最終的な提案内容についても、さまざまな部署と調整しながら、組織のルーチンに落とし込んでいく必要があります。

伊賀 泰代著『採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの』位置No.689

この本を読む前までは、僕自身もコンサルタントと言えば問題解決スキルが最も重要なスキルだと思っていました。

しかし、企業は問題解決スキルに多額の報酬を支払うのではなく、リーダーシップ、つまりは言語化した解決策のステップを、ひとつずつ行動に移せるリーダーを求めていることがわかりました。

より詳しく言えば、言語化した解決策のステップは問題解決スキルの有無が論点となりますので、重要なスキルとなります。

これらは、僕自身も学習機会を作り、実践し、習得する必要があります。
一方、解決策のステップをひとつずつ行動に移していく、他者を巻き込んで現状を変えていくスキルは、今日からでも実践できるスキルです。
この本では、このスキルが最も重要だと述べられています。

問題を進展させるためのスキル


最近は学校での”いじめ”が大きな問題になっていますが、ここでも、いじめをやめさせようと思えば、 学校の中に強力なリーダーシップが必要となります。 教師であれ、それを見ていた子供であれ、子供らから話を聞いた親であれ、 誰かに強力なリーダーシップがないと、問題は解決できません。 そんなところでMECEだのと言っていても、なんの役にも立たないでしょう。

伊賀 泰代著『採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの』位置No.700

タイミーに入社して、一番驚いたのは、同世代の人たちが強力なリーダーシップをもっていたことでした。
なぜなら、僕の周りには、このようなスキルをもっている人が少なかったからです。

当時のタイミーは、今よりも少数精鋭だったため、全員が他者を巻き込んで現状を変えようとしていました。
そして現在必要なことは、過去よりも特定の分野に強い問題意識を持ち、僕たちがどのようにしてそれを解決できるかを真剣に考え、ひとつずつ行動に移すことなのです。
その際、必要になるのが「問題解決リーダーシップ」です。

問題解決スキルとはご存じのとおり、MECEやロジカルシンキング、仮説思考、 フレームワークなどの思考テクニックを使って、問題を整理・分析し、解を見つけるための技術です。 一方、問題解決リーダーシップとは、解くべき課題(イシュー)の定義から、分析の設計、 関連する組織や人とのコミュニケーションを含む一連の問題解決プロセスにおいて、 リーダーシップを発揮することです 

伊賀 泰代著『採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの』位置No.715

このスキルは、プロジェクトマネジメントのようなプロセスのスキルではなく、答えの質そのものを向上させるためのスキルであると言われています。

つまり、チームで問題解決を行う場合、問題解決リーダーシップを発揮する人がいないと、チームで問題解決が進まないことがわかります。これらは技術だけでなく、リーダーシップが必要な例となります。

圧倒的に高い成果が出せる


船の目的は海にこぎ出し、魚をとること、もしくは目的地までたどり着くことです。 もし彼らがリーダーシップをもっていれば、たとえさまざまに異なる自説をもつ人がいても、 それらの意見は、「成果達成のために、どの意見が最も役に立つだろうか」という話し合いの中で取捨選択されるはずです。 リーダーシップのある人は、「成果を出すこと」を「自説が採用されること」よりも優先します。 だから全員にリーダーシップがあれば、船は山には登らず、海に向かうはずなのです。 

伊賀 泰代著『採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの』位置No.751

僕の所属する組織は、全員が『採用基準』に書かれている「リーダーシップ」を習得しようとしています。
なので個々が「成果を出すこと」を優先しているため、時には僕の説明に厳しい指摘をすることがあります。心臓がキュッとなることもありますが、それは全員が「リーダーシップ」を習得する場合、必然の現象だと理解できるようになりました。

僕がこの本を読む中で、最も大事にしたいと感じたのは、「本来のリーダーの在り方」でした。
「本来のリーダー」とは、「チームの使命を達成するために必要なことを実行する人」と説いています。
自分の意見よりも、ずっと正しいと考えれば、すぐに自分の意見を捨てられる。チームの結論として採用できるのがリーダーだと言います。

全員がリーダーシップを発揮するチームの生産性


チームの戦略・戦術を立てる際、目的を達成するための手段については、全員に意見を求めています。

それは、さまざまな意見を吸い上げて、まとめ上げるのがリーダーに求められる重要な仕事だからです。

ただし、全員がリーダーシップを持っていれば、この仕事も分担できます。
実際に、各自が目的を達成するために必要なプロジェクトを立ててマネジメントしています。

こうしたチームでは、リーダーが孤立することもなく、リーダーだけが疲弊することもないため、ありがちな問題すら生じないのです。

僕自身、自律性、つまりオーナーシップを全員に求めることが適切かどうかを、非常に考える時期がありました。
後から思えば、事業部の職務要件を整理すればよかった話(ここでも僕のリーダーシップが必要でした)でしたが、リーダーシップを発揮しながらマネジメントもするとなると、限界に近づいていたのです。

しかし今は、事業部の方針として、全員に求められているのは、「自分で決め、その結果に伴うリスクを引き受け、その決断をきちんと説明できること」であり、上司の指示をすべて聞き入れる必要のない組織になりつつあります。

マッキンゼーではみんな、「全員がリーダーシップを発揮して問題解決を進める」という前提で、 他者に対して遠慮なく自分の意見を伝えます。パートナーは、マネージャーやコンサルタントが、 自分の意見どおりに動くことを想定しておらず、だからこそ彼らは自由に意見が言えるのです。

伊賀 泰代著『採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの』位置No.805

どんなに強くパートナーが意見を言っても、他のメンバーはそれを上司の指示とは受け取りません。 その意見を尊重すべきか否かを、自分で考えて決めようとします。 だからこそ、”上の人”も自由に自説を主張することができます。 ヒエラルキーを議論にもち込まずにすむのは、全員がリーダーシップをもっているからなのです。

伊賀 泰代著『採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの』位置No.805

コトに向き合いながら、全員がリーダーシップをもつことが重要です。
これらは採用基準を定め、高い成果を出すチームのメンバーとして、リーダーシップを実体験として理解することで、実現可能性が高くなると信じています。

さいごに


「本来のリーダー」とは、「チームの使命を達成するために必要なことを実行する人」です。

全員に気持ちよく受け入れられるような妥協を優先するのではなく、成果を最大化するために周りを巻き込む力が今試されています。

僕は両極端な不器用な人間ですが、この理想のチームの在り方を突き詰めながら、いい組織づくりにも励みたいと思います。

伊賀 泰代著『採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの』より

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