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エネルギー注入のために公園にいってみよう〜見るだけ読書/浅田すぐる

紙一枚にまとめましょう、というメソッドで有名な浅田すぐるさんが読書について書いた一冊。
読書論(方法論)というよりも、ブックガイド兼著者がどう本を読み解き、実践に移しているかをまとめた一冊。

タイトルだけみると、なんか奇抜な読書方法のように誤認してしまいそうな・・・
それで勘違いをし、手に取らない人がいたらもったいないな、という印象。

著者独自の読み解き方が面白かったので、簡単にですがご紹介。

そう読むか!

個人的にうなってしまったのが、レイチェルカーソンさんの「センスオブワンダー」。化学物質の濫用に警鐘を鳴らした「沈黙の春」とならび有名な一冊ですね。
実家にもあり一読したことがありましたが、その時は
・レイチェルさんは沈黙の春を表しただけあって自然が好きなのだなぁ
とか
・自然との触れ合いとみずみずしい感情を保つことが大事だといってるなぁ
くらいの、今振り返ると絶望的?な粗々解像度での読書体験でした。

一方、著者の浅田さんはどう読んだか?
まさかの ”活力注入剤”  として読み解いています。
まさか、こんな読み方をしている人がいようとは・・と驚きつつ、読んでいくと確かにと思う部分もあり、読書体験の多様さに衝撃を覚えるのであります。

どうすれば活力が湧いてくるか

周囲を見回してみると、疲れている大人、結構たくさんいませんか?
通勤時、社内、社外。
周りの方の表情をみると、イキイキしてそうに見える人1割、無表情がほとんど、明らかにしんどそう・つらそうな人が1割くらい?な感じです。

何かを成すのに一番大事なのは、方法論でもなく、効率でもなく人を動かすためのガソリン、すなわち活力になるかと思います。
それに関し、レイチェルカーソンは以下のように記しています。

 もしもわたしが、すべての子供の成長を見守る善良な妖精にhなしかける力をもっているとしたら、世界中の子供に、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見張る感性」を授けて欲しいと頼むでしょう。
 この感性は、やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、わたしたちが自然という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する、かわらぬ解毒剤となるのです。

なぜ疲れるのか?
仕事が多いから、高いプレッシャーにさらされているから、人間関係がうまくいってないから。
人により、要因は様々かと思います。
一方、イキイキしている人の共通点というと、自分の周りを見る限り、「何かにハマっていること」な感じがします。
カメラ、ゴルフ、サッカー、筋トレ、アニメ。

「いやー、全米オープン見たくて朝4時に起きてさ。眠いよ!」
とか、
「昨日は夜中までアメリカの連続ドラマ見ちゃって・・」
とか、眠い・疲れたと言いながらもバリバリ仕事をこなすようなイメージです。

本当に楽しい、面白いと思うものがあることで、日常に彩りが生まれる。
感覚的にもわかる気がします。

レイチェルさんはそのことを深く理解しているのでしょう。
人工的・無機質なものに囲まれているとそういう素直に楽しい、面白いと感じるものに出会う機会が少なくなってしまいますが、自然との触れ合いなどを通し、センスオブワンダーを持ち続けることが活力維持になにより有効、と解いているわけですね。

疲れたときは好奇心を想起させよ、そんなところでしょうか。
明日、街路樹でも公園の草花でもいい。
すこし立ち止まって詳細に観察してみてはいかがでしょうか?

一つでも、不思議だなと感じることがあれば、それが日常への活力を生み出す源泉になるかもしれません。

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