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仕事への向き合い方について考えるきっかけとなった漫画

最近、フラジャイルという漫画にハマって大人買いをして一気に読んでいる。
ドラマにもなっていたので、ご存知の方も多いかと。

主人公の岸は病理医。
病理医と言われてもピンとこないし、おそらく多くの人は関わることがないだろうが、病理医は、主に「組織診断(生検および手術材料)」、「細胞診断」、「病理解剖(剖検)」の3つが主な仕事。
主人公といえども素直で元気で頑張り屋!というタイプのものではなく、偏屈、コミュニケーション力不足、だけど知識の腕は圧倒的というちょっとクセのある設定。その岸を中心に、病気のこと、移殖のこと、創薬のこと。病気に関わる多くの事柄が取り上げられ、読むだけで医学知識が豊富になるというおまけ付き。

岸という主人公。偏屈ながらもその膨大な知識量と洞察力で、医者からの信頼は厚い。その仕事に対する姿勢には見習うものがある(人間性はおいておいてw)


自分の専門とする分野に閉じこもらない

その信頼のベースとなっているのが圧倒的な知識量だ。仕事としては、プラパラートで患者の細胞を見て判断するというのが一連の流れであるが、岸はそれだけではなく、患者の情報も詳細にインプットし、総合的に勘案した自信10割の診断をくだす。
技術、事務系に限らず、多くの社会人はある程度の年齢になると守りに入ってしまう部分があり、自分の仕事という枠を決めたがりがち。恥ずかしながら、自分も大企業で技術職としてはたらていて、膨大な量のメールを受信するが、目を通し理解をするのはあくまで自分宛にきたものだけ、というケースがほとんど。全部に手を広げていると無限に時間があっても足りないし、別に手を出さなかったからと言って責任を問われるわけでもない。
でも、それは一種の逃げなのかもしれないとも思う。
立場、ポジションに関わらず、自分の務める会社をより良い方向に導くためには、枝葉の先の先の部分だけにとどまっていて良いはずはなく、枝も幹も根っこも見た上で(会社全体を見た上で)、的確な判断をすべきである。
対象が人間だろうが会社だろうが同じはずだ。

その分野の発展を見据えた仕事をする

岸は目の前で友人(日比野)を、診断がつかずになくした経験をしている。
存命中に、日比野はこんな印象的なセリフを残している

生涯ひとつでいい
診断と研究で医学を進化させる
俺は一段
医学の階段を作るんだ!

日々、目の前の業務に追われていると、目の前の雑務的な(大事なことではあるが)仕事に忙殺され、いつしか「作業」となっていく。
博士号取得の経験を通して1つ痛感したのは、世の中には解決されるべき問題・課題は山ほどあるということだった。
それらの1つでも、解決まで至らなくたっていい。その解決に向けた一段の階段を作る。そんな気持ちで仕事をできたら素敵ですね。

プロフェッショナルとは何か?を考えるきっかけをくれた素敵な漫画。
ぜひ、ご一読ください。

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