子供向けの本もなめるべからず〜自然とかかわる仕事
最近、週末に娘を連れて図書館に行き、絵本を借りるのが習慣化しつつあります。
これまで、本はAmazonか書店での購入がメインでしたが実際、図書館に行ってぶらついてみると、新たな本との出会いがあったり、ちょっと気になるけど、買うまでは・・・と言う本も気軽に借りられたりと、思わぬ楽しみもありました。
きちんと記録はつけてませんが、毎月の書籍の購入費も少し減ったような気がします。
今回たまたま手に取って良かった本がこちら。
子供向けのコーナーに置かれていたのですが、何の気なしに借りて読み出したら、一気に読み切ってしまうほど面白かったです。
Amazonで見る限り、絶版になってしまってるかもしれず・・・こういう本との出会いも図書館利用の醍醐味かもしれませんね。
内容は、大きく”自然”を相手にした仕事を題材にした漫画を取り上げ、その仕事内容を紹介するというもの。
取り上げられている職業
・農家 「玄米せんせいの弁当箱」
・漁師 「マグロ土佐船」
・山岳救助隊 「岳」
・海上保安庁特殊救難隊 「トッキュー!!」
・飼育員 「ぼくの動物園日記」
の5つ。
どれも漫画なので読みやすく、しかも良いシーンが抜粋されているのでのめり込むこと必須です。
個人的には農家と漁師が興味深かったです。
農薬は悪者?
自分達が子供の頃には目にすることなどなかった「オーガニック食品」なる言葉。スーパーやメディアで目にしない日はない、というくらいメジャーな単語になってきた気がします。
オーガニック、の定義は以下の通りだそう。
農薬や化学肥料というのがキーワードになってきます。
でオーガニックが推奨される、というのはイコールで農薬や化学肥料に対するネガティブな見方にもつながります。
野菜を対象に考えてみますと、食材には生産者となる人がいるわけです。
オーガニック万歳という風潮が強まると、農薬や化学肥料を過度に批判する人が出てきて、ひいては、それらを使う生産者の批判にも繋がります。
これまで自分が書籍やインターネットを調べて得ている情報から判断するに、人体被害が出るような量の農薬なり化学肥料がしようされている例はほとんどないそうで、イメージに踊らされすぎないことが大事だな、と自分は考えます。
そもそも、なぜ農薬を使わねばいけなくなったのかということに立ち返ると、虫などの被害により安定的に生産が見込めなくなることに加え、消費者の「綺麗な野菜」を望む声も大きかったのではないでしょうか。
虫食いがあったり、場合によっては虫がついていたり。
そう言ったものに過敏に反応する人がいると、供給者側としてはそれに対応せねばならなくなる。
個人的にオーガニック製品を主とするライフスタイルを選択することは何も問題ありませんが、農薬や化学肥料を使う農家の人にネガティブな視線を向けたりするのは何か違う気がしますし、むしろそう言ったものを使用せざるを得なかった状況を作った背景には、消費者の影響もあるのだということを肝に銘じておかねばというところです。
遠洋漁協のハードさ
借金返済のためにマグロ漁船に乗り込む。
半分冗談まじにりこんなことを言われることがあります。
この、まぐろ土佐船は実際に3度の航海を経験したコック長の話がベースになっているだけあって、細部まで丁寧に描かれています。
船員には役割分担があって、その役割を放棄するわけにはいかない。
医者もいないので、体調不良は自己責任。
熱があろうが職務を全うする必要がある。
シンプルですが、船の上ではそんなルールがあります。
一回海に出ると、ある程度の稼ぎの目処が着くまで日本に戻れないというのも本当のことだそう、本書では南アフリカのケープタウン沖でのミナミマグロ漁が題材となっていましたが、2億円分稼ぐまで日本に戻れないぞ!マグロの相場が7割におちた!なんてことが書かれており、不安定かつハードな職業だなと思いました。
遠洋漁業限らずですが、こういう人々の苦労あって魚が自分の口に入っていることを考えると、その味もひとしお、という感じです。
世の中のことを広く浅く知るため、こども向けの本はこれ以上ない教科書かもと思った読書体験でございました。
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