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(本)限りある時間の使い方

本屋のビジネス書コーナーに行くと、時間の使い方に関する本がこれでもか!と言うほどたくさん置いてあります。
優先順位の付け方、時間管理の仕方(ポモドーロテクニック)、丸々ハック・・・それくらい、多くの人は時間の使い方に悩み、満足できていないということなのでしょう。
かくいう私も、日々、もっと効率的に時間を使えないかを悩んでいる一人。
注意力は限られているし、タスクの切り替えでも浪費されてしまうのでメールのチェックは一日3回までにしましょう、とか、認知資源を多く使う考える系のタスクは午前中に入れましょう、と言った情報を見れば取り入れてみて、自己流の仕事のノウハウとしているものの、どこか、満足した感は得られない。
こなせる仕事の量は微量ながら増えてるものの、焦燥感なりもっと効率的にやらねばと言う漠然とした不安感は消え去っていない。むしろ強くなっている感じがする。
そんなモヤモヤした中で手に取った一冊。

新しい知識と新しい考え方を与えてくれる本を読むと、心底出会えてよかったなと思います。本書は、まさに後者に該当する本。
正直、目新しいテクニックやノウハウは書かれていませんが、時間との向き合い方という面で、パラダイムシフトに近い感覚を引き起こしてくれました。

本書では、いくら時間の効率化を図ったって永久に満足する瞬間は訪れないと言うメカニズムが解き明かされ、自分の人生って何?時間ってなんのためにあるの?と言う根本まで遡って考え、現状にて足るを知ることを説いています。

個人的に面白かったのが、人間は後戻りできない状況に置かれた方が、選択肢が多い状況よりも幸せになれる、と言うこと。

卑近な例になりますが、男女のパートナーの見つけ方を考えてます。
ちょっと良さげな異性を見つけ、お付き合いするに至る。
付き合い当初は楽しいものの、徐々に相手の粗、嫌な部分が目につくようになる。
それが積み重なると「もっと自分の理想に近いパートナーだったらな・・」と言う幻想を抱くようになる。
モヤモヤしながら付き合い続け、我慢ができなくなるタイミングで別れる。
もっと自分に合う(完璧な)パートナーを探す。

言い方が悪いですが、多くの男女の別れはこんなループかと思いますw(自らも反省中・・・)
でも、著者は完璧なパートナーなぞ永久に現れないし、妥協が大事、と解きます。
その理由の一つが、上に書いた選択肢の話。

ちょっと広げて考えてみると、もしかしたら結婚をするのも、職業を決めるのも、多くの選択肢はこの、「妥協」を経てちょっと幸せになろうとするプロセスなのかもしれません。

折に触れて読み返したい、素敵な1冊。


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