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副業デザイナーによって急拡大させたハイブリッドなデザイン組織について

こんにちは、ラクスルでデザインマネージャーをしている和泉(ジェイ)です。

2022年2月時点で10名程度だったデザイン組織を、正社員採用から副業デザイナーの採用に振り切ることで、半年で30人以上の組織へ急拡大させた経験から、

  • プロダクト開発と組織開発の両軸において、上手くいったこと

  • 逆に苦戦したこと、今後の課題とチャレンジ

について書きました。

この記事は「Spectrum Tokyo Design Fest 2022」で発表した「副業デザイナーによって急拡大させたハイブリッドなデザイン組織について」の内容を書き起こしたものです。

はじめに

RAKSULにおけるデザイン組織の現在地

元々は事業ごとにデザイナーを採用していて、多くて2名ほどで、スタートアップのひとりめデザイナーのような立ち位置でした。
そうすると、なかなかデザイナーのキャリアに向き合うメンバーや相談相手がおらず、ノウハウも蓄積しにくいという課題感があり、それらを解消すべく、2020年の11月に全社横断でデザイナーをアサインする体制になりました。

デザイン組織のBefore, After
2022年10月現在のメンバー

お題にも掲げた、副業 / 業務委託デザイナー(※RAKSULでは、DESIGN Parterと呼んでいます)の採用に注力すること、およそ半年くらいで、今の体制と規模感を構築して維持、成長している状況です。

具体的にどういった活動によって実現したのか?

2021年1月、当時のデザイン組織が掲げた2年間の活動予定

下記が、全社を横断するデザイン組織が立ち上がって掲げた2年間(2022年12月まで)の活動予定でした。

Takramさんに協力していただき作成した2年間の活動予定

そして、目標を掲げて約1年後、僕が入社した2022年2月時点での自己評価での達成状況が下記になります。

2022年2月時点での自己評価での達成状況

しっかり実行して成果をだせているモノ(RAKSULのリブランディング)もありますが、思うように進捗できていないこともありました。
進捗できない原因としては、活動の担い手となるデザイナーが、通常のデザイン業務を行いながらでは手がまわらないという状況でした。

この10ヶ月で出来たこと、出来なかったこと

そういった2022年の2月からの10ヶ月で出来たこと、出来ていなかったこともありつつ、少しづつですが成果が出てきたので、具体的にどういったことを行い、どういった成果が出てきたのかを、施策ごとに説明します。

2022年の2月からの10ヶ月で出来たこと、出来ていなかったこと

デザイナーの採用と外部評価の向上

まずはRAKSULにデザイン組織があることを知ってもらう必要があるので、わかりやすい社外発信をはじめました。
noteでのRAKSUL DESIGN MAGAZINEの発刊、自社イベントの開催です。
あとは、繰り返しにもなりますが、正社員採用にこだわることなく、副業 / 業務委託デザイナーの採用へ振り切りました。

デザイナーの採用と外部評価の向上について

デザイナーの能力を広げる・深める

デザイナーのキャリアに向き合うメンバーや相談相手がおらず、ノウハウも蓄積しにくいという課題感を解消すべく作った体制組織ですが、こちらは、まだまだ課題感を持ってチャレンジしているところになります。

デザイナーのキャリアパスの構築

デザイナーのキャリアパス構築に関しては、RAKSULにおけるデザイナー職とは?と、それぞれのデザイナー職に求められる能力とレベル感を言語化、明文化しました。
業界や会社、個人によって、デザイナーの職種に対する理解やカテゴライズ、求められる能力に違いがあるかと思います。
まずは、個人個人の目標となる状態ゴールとしての認識を揃えることで、キャリアを考える上での指標にするべく、一部トライアルで運用を開始しました。
こちらは、絶賛チャレンジ中にはなりますが、来期の目標設定から本導入する予定です。
半年、1年くらい運用してみての結果は別途、共有したいですね。

相互に学び合う仕組み

これはリモートワークをベースとした働き方と、それぞれが違う事業やチームにアサインされてデザインしているため、とても難しい課題です。

相互に学び合う仕組み

この課題に対して具体的には、年に数回のリアルに出社してもらってのデザインカンファレンスを行っています。
デザインのフィードバック会、相談会、クリティーク会といった取り組みを行なっている組織も多いかと思うのですが、あえてカンファレンスという形式にしています。
要は、すでに公開済み、実装済みの案件などについて、どういったプロセス、課題解決、デザインを行ない何を学んだのかを発表する会です。
このカンファレンスは評価を求める、レビューをしてもらう会ではなく、ポジティブな感想を提供、享受し合うことでデザインの知識を深め、プロダクトに対してより良くなるかも?というアイデアをディスカッションする場としています。
普段、見えなくなっている仲間のデザインから、自身の担当するプロダクトへ転用できるアイデアやデザインの進め方を知る、デザイナー同士がコミュニケーションを取るキッカケとなるよう試行錯誤しながら運営しています。

ちなみに、レビューをしてしまうと相互の学びではなく、一方的な指導になってしまうので、仮に指導やレビューをするならプロジェクト中に、個別で行った方がレビューを受ける側の心情的にも良いかなと思っています。

デザイナーのROIを最大化する

事業フェーズ毎のデザインの価値発揮

この課題に関しては、プロジェクトを推進するにあたってのプロセス整備と、デザイナーに求める創造価値が何であるのか?をDesign Docを用意することで解決しました。 とはいえ、プロジェクトの規模感や事業フェーズの違いもあるので、毎回チューニングはしている状況です。 型にハメすぎず、当事者が現場ごとにチューニングすることを良しとするため、あえて余白だったり、タスクとして具体的になりすぎない抽象度が、ROIを最大化する上で重要かなと思っています。
※この話については、プロセス整備を主導してくれた竹末さんがいずれどこかで説明してくれるかと思っています。😁

開発フローの改善

あとは、最低限、守るべきルールがあることで安心して仕事を進めることができると思っています。

品質を担保することを目的として、開発チームの中で、誰が何に責任を持つのか?を明確にした上で、品質を担保するための具体的なアクションとプロセスを明文化しました。

デザイナーとして、いち個人として

各々が違う場所で違うことをしていても、同じ方向を見据えて、目の前のコトに向かうために

会社としてのミッション、ビジョン、バリューとは別でデザイン組織のMVVを作成して啓蒙しています。
お互いの雇用形態もそうですし、ライフスタイルやライフステージ、価値観や目的が違うのは当然で合わせることなんて無理なので、せめて共に同じ方角、方向に向かっている状態を作れればと思っています。

さいごに

RAKSUL DESIGNの展望

RAKSULのデザイン組織のこれまでの2年間(2021年〜2022年)は、全社に対してデザインを推進する為の組織だったと思っています。

今現在は、デザイン主導の戦略を事業に対して実行する組織へと生まれ変わるべく、さまざまなチャレンジして失敗を繰り返しています。が、

数年後、早ければ数ヶ月後にでも、デザインによるイノベーションを創造する組織へと変わって行きたいと本気で思っています。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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