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1982年生まれ。神奈川県出身。新司法試験に挑戦するも、3度とも論文式試験を突破できず…

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1982年生まれ。神奈川県出身。新司法試験に挑戦するも、3度とも論文式試験を突破できず(択一式試験のみ3度合格)。現在は写真を撮ったり文章を書いたりもする営業マン。

最近の記事

刑訴法②警察24時じゃなく48!

前回は刑訴法の大枠で終わってしまったのでここからがいよいよ本題です。 まず前回、刑訴法のステージとして、①警察官が逮捕する、②検察官が訴える(起訴)、③裁判所で裁判、という3つがあるとしました。このうち①を今回はとりあげます。 ①警察官による逮捕 逮捕とは犯人の身体を拘束することで、刑罰に懲役(ちょうえき)があることからも分かるように、人の身体の自由を奪うのは人権侵害のなかでもかなり重大です。そこで逮捕には原則として裁判所の発行する令状(許可状)が必要で、これが「通常逮

    • 刑訴法①〜民事とだいぶ違うよ〜

      今回は刑事訴訟法、略して「刑訴法」(けいそほう)を扱ってみたいと思います。文字通り、これは刑事裁判のルールを定めたものです。 ここでついでに刑事と民事のちがいを。民事裁判は個人対個人の争いです(なおこの「人」には法人も含まれ、企業や団体などである場合もあります)。「怪我させたんだから賠償しろー!」「家賃払わないなら出ていって!」などなどが民事での争いです。ここでは両者が公平・公正に主張し合う機会があることが最重要となります。スポーツのようなフェアネスが大事なのです。 一方

      • 刑法③正当防衛〜必・緊・相〜

        刑法の第3回は正当防衛をとりあげてみます。 法律を学んだことがなくても馴染みのある言葉ではないでしょうか。「いやそんなの正当防衛だろ」といったツッコミで返すのは日常的な場面でもままあるでしょう。 まずは条文。しつこいですが、これ基本です。 刑法36条1項 「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。」 「急迫不正の侵害」が少しとっつきにくいかもですが、客観的に侵害であるならほぼ不正だと思うので、ここで重要なのは「急迫性

        • 刑法②故意〜わざと、って何?〜

          続いて今回は、刑法の中で自分が最初に面白さを感じた問題について紹介したいと思います。 それは「故意」すなわち「わざと」ってなんだ?という問いです。日本の刑法は、原則として故意犯を処罰の対象としています。つまり、過失犯の処罰はあくまで例外的なのです。これは、刑罰という重大な人権侵害を伴うものをもってまでして懲らしめなきゃいけないほど悪い行為とはなんなのか、ということに基づいています。そこには、過失については刑事ではなく民事で損害賠償をさせればいい、という考えがあるわけです(刑

        刑訴法②警察24時じゃなく48!

          刑法①未遂〜哲学的な法律よ〜

          はい、というわけで第一弾は刑法です。 刑法とはその雰囲気通り、「これやったら逮捕されんで」というものを集めた法律です。警察、動きます。まずは法律のキソとして、第1条いってみますか。 刑法 1条1項「この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する」 きました。そう、この法律は「罪と罰」を規定したものとなっております。つまり、これやったら何罪、それやったら何罪、と「やってはならない」集が記されているのである。 具体的には、殺人罪、傷害罪、窃盗罪、強盗罪、器物損

          刑法①未遂〜哲学的な法律よ〜

          「六法」について

          法律の学びといえばまずは「六法」(ろっぽう)。 これは文字通り、6つの「法」のことであり、また法学部のマストアイテムでもあるあの辞書みたいな「書籍」それ自体も六法と呼ばれる。 ここで、6つの「法律」ではなく、「法」としたのは実は意味があり、①憲法、②刑法、③民法、④刑事訴訟法、⑤民事訴訟法、⑥会社法、のうち①憲法については「法律」ではないのである。 「は?」 …うん。そうよね。 とりあえず簡単にいうと、憲法は最強の法なのです(唐突!) 実は憲法だけはあらゆる法律の

          「六法」について

          司法試験挫折組の法律講座

          私の「20代」という青春の時期は受験生として過ごした。 一番の目標は検察官になることだったが、勉強をしていくにつれ、とにかく「法曹」になれればいいや、いやまずはそこだと思い直したりした。 一般にはおそらく馴染みのないこの「法曹」(ほうそう)というものは、要するに法律家という意味で「弁護士」「裁判官」「検察官」を指す。 これらの職につくには、司法試験に合格することがマストである。 司法試験に合格すると、まずは弁護士になる資格を獲得する。や、厳密には、司法修習を経て「二回

          司法試験挫折組の法律講座