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フィルムでしか撮れない写真

LINEが鳴った。
何人かでやっているグループLINEに1人の友人がこんなことを投げかけてきた。

「フィルムでしか撮れない写真ってどんなのだと思いますか?」

僕は少し考えたあとにこう伝えた。

「個人的に思うのはフィルムでしか撮れない写真っていうのはないと思う。

フィルムでしか撮れないというより、フィルムだから撮りたい写真というほうがあるんじゃないかなって思う。」

君ねフィルムでしか撮れないものはだね、なんて語りたくなる人もいるだろうが、僕はそんなものはないと思っている。

写真は携帯だってデジタルだってフィルムだって撮ろうと思えばなんでも撮れる。自分が何で何を撮りたいか。結局はそれによるのではないだろうか。

僕にとってフィルムだから撮りたいもの。それはくだらないものや何気ない日々や瞬間でパキッと決めた写真や大自然の絶景よりも一瞬垣間見える感情や仕草、情景や風景。

フィルムのネガが光を焼き付けるようにその場の空気感や温度、そこに流れていた時間までをフィルムで写し出せたらいいなと思っている。


石橋純

東京を拠点に様々な国や地域の自然に触れながら登山活動をする写真家。 山岳写真をはじめ東京・南青山にあるジャズクラブ BLUE NOTE TOKYO では国内外のトップアーティストを撮影し、雑誌やアルバムジャケットなどの撮影やコラム執筆など幅広い仕事を行っている。
またユネスコの無形文化遺産であるブラジルの伝統芸能「カポエイラ」を25年間学び、LAを本部に置くCapoeira Batuque カポエイラバトゥーキではContra Mestre(副師範) の位を持つ。15年以上子供から大人までを教えながらTVやCM、アーティストのMVや広告などでカポエイラの監修や指導をしながら自身もパフォーマー兼モデルとして活動する。2022年に写真集「Life is Fleeting」を刊行。

Jun Ishibashi is a Tokyo-based photographer. He travels around the globe, engaging in mountaineering and other nature-related activities. His wide range of work includes writing columns and photographing mountains, fashion, album covers, and top artists worldwide̶including ones in Japan’s BLUE NOTE TOKYO, a famous jazz club in Tokyo. He also studied Capoeira for 24 years, a traditional Brazilian art form that is listed in UNESCO’s Intangible Cultural Heritage. As a certified Contra Mestre in the LA- based group Capoeira Batuque, he has been teaching people of all ages for over 15 years. Furthermore, he is a performer and model, supervising and teaching Capoeira on TV, such as in commercials, music videos, and advertisements for artists.




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