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自分の生まれた国。

日本は国としてかなり成熟されているのではないだろうか。もちろん地方はそうでないところもあるけど、総じて日本は既に出来上がっていると思う。自分が今まで行った"海外に比べて"日本の成熟された良いところを考えてみた。

貧富の差が激しくない。夜に子供や女性が出歩いていても安全。交通機関の乱れがなく、バス/タクシー/電車/地下鉄/新幹線/飛行機などほぼ網羅されている。飲食や店舗のクオリティ、サービスが行き届いている。街が綺麗。物を落としても無事に見つかる。保険などの社会福祉が充実している。電気ガス水道が勝手に止まることがない。日本のパスポートは信頼されている。外国人からの日本人、日本のイメージが良い。現時点で戦争やテロがない。海も山もあり、自然が豊かで美しい。和食も含めて食に対して関心が高く、基本的にどこも美味しい。真面目で根が優しい国民性。

パッと思いつくだけでこんなにも出てくる。海外に行き、様々な国の文化や人々に触れることによって日本の良さが色々見えてくる。もちろん反対に良くない部分も浮き出てくる。この世界に完璧な国はなく、毎日世界中で流れていくニュースを見ていて、人間は弱く、醜く、愚かな生き物だとも思う。それでもより良い社会や国、世界を目指して人々は今を生きていると思う。

自分が生まれ育った国で今をどう生きているのか、これからをどう生きたいのか。帰国の便を待つ空港でそんなことを考えている。今回のバングラデシュとインドの短くも濃厚な旅の中で僕が感じたこと、それは「一生懸命に働いて、真面目に楽しく、そして今を強く生きていくこと。」

ものすごくシンプルで一見薄っぺらく聞こえそうだけど、僕はバングラデシュとインドの人々を見て、肌で強くそう感じた。成熟した日本に住んでいるとなかなか感じられないことだと思う。

成熟し出来上がっている国に住んでいるからこそ自分が何を感じ、何をして生きていくのか。今の日本を生きている僕たちにとってそれを考えるのが大事なことではないだろうか。



石橋純

東京を拠点に様々な国や地域の自然に触れながら登山活動をする写真家。 山岳写真をはじめ東京・南青山にあるジャズクラブ BLUE NOTE TOKYO では国内外のトップアーティストを撮影し、ファッション雑誌やアルバムジャケットの撮影やコラム執筆など幅広い仕事を行っている。
またユネスコの無形文化遺産であるブラジルの伝統芸能「カポエイラ」を26年間学び、LAを本部に置くCapoeira Batuque カポエイラバトゥーキではContra Mestre(副師範) の位を持つ。20年近く子供から大人までを教えながらTVやCM、アーティストのMVや広告などでカポエイラの監修や指導をしながら自身もパフォーマー兼モデルとして活動する。2022年に写真集「Life is Fleeting」を刊行。

Jun Ishibashi is a Tokyo-based photographer. He travels around the globe, engaging in mountaineering and other nature-related activities. His wide range of work includes writing columns and photographing mountains, fashion, album covers, and top artists worldwide̶including ones in Japan’s BLUE NOTE TOKYO, a famous jazz club in Tokyo. He also studied Capoeira for 24 years, a traditional Brazilian art form that is listed in UNESCO’s Intangible Cultural Heritage. As a certified Contra Mestre in the LA- based group Capoeira Batuque, he has been teaching people of all ages for over 15 years. Furthermore, he is a performer and model, supervising and teaching Capoeira on TV, such as in commercials, music videos, and advertisements for artists.

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