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給付金で始める寄付という選択

はじめに
『国民1人に一律10万円の特別定額支給金を支給する』この政府の発表がなされたのは何時頃だったでしょうか?皆様はもう支給されましたか?
僕の住む地域ではようやく、順次支給が始まったようで、先日僕にも支給されていることを確認しました。

では、その給付金の使い道は?
いくつか使い道はあるのですが、今回は【寄付】をするという選択について、皆さんとシェアさせて頂ければと思います。

寄付をしようと思ったきっかけ

4月20日、緊急事態宣言の発令真っただ中、総務省から国民への10万円一律給付が発表されました。それ以前から国民への給付金支給に関して右往左往していたことも記憶にありますが、結局は一律給付という形に収まりました。

幸いにも、僕自身の生活状況に大きな変化はなく、それ以降に起こる関係各所の対応の遅さや悪さに関して、厳しい状況の人へいち早く支給されればよいのに、と思っていました。

そして発表後に1つ印象深い会見とそれに関する記事がありました。
それは菅官房長官の会見で、『官房長官も給付金の申請を行うのか?』という質問に対する『常識的には給付金はしないと思う(申請しない)』という回答と数日後にYahooニュースに挙がっていた藤田孝典氏のコラム記事です。
菅官房長官「常識的に現金給付10万円申請しない」 政治家として市民として大変無責任な発言である
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20200420-00174343/

菅さんの会見をテレビで見ていて、この発言を聞いた時には正直、何をもって常識的なのかは分りませんでしたが『まぁ、そうでしょうね』という気持ちでした。
ところが翌日上記のニュース記事を一読し、『なるほど、そういう考え方もあるのか』と感嘆とした気持ちになりました。

記事の内容に関しては、若干尖った書き方ではあるものの概ね共感のできる物でした。その中に『お金に困っていない人は単純に寄付すればいいだけである。』とさらっと書かれており、なるほどな、と思ったわけです。
その時、僕の給付金の使い道の1つに寄付をするという選択が与えられました。

少しだけハードルが高い【寄付】というアクション

僕の今までの生活レベルを考えると、【募金】や【献金】というアクションはあるものの、【寄付】というアクションは行ったことありませんでした。
単純に言葉が違うだけじゃないか、という考え方もありますが、僕の中で【募金】や【献金】に関しては金額が少額であるという認識があります。

一方【寄付】と言うと
・一定以上の金額(数千~数万以上)
・著名人が任意の寄付先に行っているイメージ
・なおかつ税金対策、税金控除

といったイメージが先行しており、また特定にどこかに寄付をしたいという機会もありませんでした。

サクっと意味を振り返ると【寄付】とは
 →公のことや事業のため、金銭や品物を贈ること とされています
また、【献金】の意味に関しては
 →ある目的に使ってもらうために、お金を差し上げること です。

わざわざ【公のことや事業のため】と書かれてあったことからして、やはり僕自身は今までに【寄付】という意味合いでお金を投じたことはありませんでした。

寄付する目的 支えられているという感謝の気持ち

寄付先の選択肢としてまず思い浮かぶのが、自身と関わりのある所、もしくは興味のある分野で活躍している団体、と言う所でしょうか。
今回僕が選んだのは、自身が普段の生活で関わりがあり、さらにある一面で支援を受けている場所でした。

それは【バザールカフェ】という京都市にある緑豊かなお店です。
※下の写真は、バザールカフェの店内です。木造の椅子とテーブルに白壁と いったレトロな雰囲気が漂います。

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このお店は日本基督教団京都教区とアーティスト、市民運動家、大学教員、宣教師、牧師などで構成されたプロジェクトの一環で行われています。
カフェ営業だけでなくその根幹には【セクシャリティ、年齢、国籍、など異なった人たちがありのままの姿でそれぞれの価値観が尊重され社会の中で共に生きる存在である事を相互に理解し合う場の創出】があります。

つまりは、様々な問題を抱える人々へ1つの居場所を提供しているのです。
それは、営業しているカフェへお客として足を運ぶ、というだけにとどまらず、カフェ営業にボランティアや仕事として参加したり、敷地内にある庭の手入れにいそしんだり、同じ問題を抱える者同士でテーブルを囲み、食事をし、悩みを分かち合う……このように様々な利用方法がここにはあります。

また、様々な問題を抱える人々を支援する役割の方々が集まり、課題を集めたり情報共有提供を行い、ネットワークを広げる場としても機能しています。

僕はゲイでありHIVポジティブであり、薬物依存症者でもあります。
このバザールカフェの居場所提供の1つとして、この問題を抱えた人たちが集まり問題を分かち合う集まりがあり、僕はたびたびそこへ参加していました。そのご縁から、今回給付金を使って寄付を行うことを決めました。

コロナウイルスが奪う居場所

今回のウイルス感染の拡大に伴い、京都にある【バザールカフェ】も営業自粛を余儀なくされました。
それは、通常の飲食店とは少し違い、様々な問題を抱える人々の居場所を奪うことにもなりました。

もちろんこれは普通の飲食店も同様ですが、売り上げがゼロになり、普段から募っていた寄付や助成金だけではバザールカフェ内で行っていた様々な活動を行うことが出来ず、今後の運営に大きな影響がでました。

いわゆるカフェとしての居場所だけではなく、様々な人が支援を受ける、支援を広げる場所が無くなってしまう可能性があったのです。
どうやら、6月某日現在、バザールカフェは活動費を賄う為にクラウドファンディングを行い目標金額に達成したようで、当面の運営をしのぐことは出来ると思われます。
しかし、今後もコロナウイルスそのものがどのように収束、もしくは更なる拡大を迎えるか予想もつかず、不安定な営業、活動は今後も余儀なくされると思われます。

僕は、この場所を居場所の1つとして必要としています。
今回のことを通して、改めて生きていくためには【居場所】が必要だということが痛感しました。そんな場所をささやかでも支援、恩返しができる機会が与えられたのだと思っています。
僕一人にできることは大きなことではないでしょう。もしかしたら意味がない可能性だってあります。しかし、かのマザー・テレサは、『それでも行いなさい』と言っています。

#給付金をきっかけに

今回のテーマ「給付金をきっかけに」では、支援を受けている場への寄付を選択肢の1つとして紹介させていただきました。
だた1回の寄付で全てが終わり解決するわけではありません。これからも僕はこの場所を居場所として利用すると共に、自分に出来ることを積極的に見つけていきたいと思いました。

もちろん【バザールカフェ】だけが僕の居場所ではありません。沢山の居場所が僕には提供され、そのどれもが同じくらいに必要で大切な場所に変わりはありません。
ですが、自分にできる事以上のことはできません。ですので、全てに同じだけの支援が出来ればいいのですが、そうもいかないでしょう。まずは今の自分にできることにしっかりと向き合い、その時にできることをコツコツと積み上げていくことが大切なのかもしれません。

バザールカフェについて

最後に今回ご紹介した【バザールカフェ】の情報を掲載します。
機会がございましたら是非、足を運んでみてください。

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※↑ランチメニューの一例です。(美味しそうでしょ!)
 日によってタイ料理や韓国料理等が味わえます(日替わりランチ750円)

住所:〒602-0032 京都府京都市上京区岡松町258
最寄り駅:京都市営地下鉄
     市営地下鉄烏丸線 【今出川】駅下車
     4番出口から5分ほど

カフェ営業日時:火曜日~土曜日 :11:30~17:30(L.O17:00)
※現在もコロナウイルスの影響により営業日時が流動的に変化しているよう です。事前にお電話等で確認していただけると幸いです。

電話:075-411-2379
E-mail:kyoto.bazaarcafe@gmail.com
HP:http://www.bazaarcafe.org/
Facebook:https://www.facebook.com/kyotobazaarcafe/

ご一読ありがとうございました。               【狼蓮】
※見出しの写真はバザールカフェ内の庭から見た景色です。

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