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ユングの小路

「やさしくわかるユング心理学」という本のタイトルに、ハウツー的な要素を感じ、一瞬、読むか読むまいか迷いが生まれたが、「あなたの深層心理を読み解く一歩」というサブタイトルでやや気分を持ち直し、目次をぱらぱら捲り、本文を読んでみるとめちゃくちゃ面白く一気に読んだ。

やさしくわかるユング心理学 / 山根 はるみ【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)


著者の山根はるみ氏は、河合隼雄氏と同様、スイスのユング研究所でユング心理学を学ばれ、その後、ご自身の夢分析や臨床現場でのご経験を重ねてこられた。

 河合隼雄氏や中井久夫氏、またマドモアゼル愛先生にも重なることではあるが、単なる知識としての言葉ではなく、ご自身の体験を通して育まれてきた生きる知恵が流れている。

このことはユングや河合氏も語られているとおり、知識としての言葉ではなく神話や物語の言葉、すなわち象徴、シンボルとして普遍的な要素を暗喩として伝わっていくことで普遍的な要素がゆがめられることなく伝わっていくのだと思う。


本書ではユング心理学のことばが「ユングの小路」という見出しで全部で12項目が整理されており、ユング心理学の柱を把握できた。
これらの内容は、昨年、私自身が導かれてきて投稿した内容と重なり、それが体系的に示されているように思った。

ユングの小路から
・自分で制御できないこコンプレックスは自分で意識することが大切
   月星座の働きを意識する|junchan|note

・無意識の世界が活性化される共時性
   ものの流れ|junchan|note

・宇宙も含んだ「私の星座」それが布置
   コンステレーション|junchan|note

・夢を使って無意識の私(シャドウ)を体験する
   無意識への扉|junchan|note
   夢判断|junchan|note

・神話やおとぎ話から何が得られるのか
   神話的解決|junchan|note


 既に述べたことの繰り返しとなるが、月星座を意識することで無意識に繰り返してきた思考や行動パターンを意識することで、月星座の働きは少なくなり、結果として太陽をはじめとする他の惑星の活性化を促すことができる。
そして私のMC(人生のライフワーク)は9室蠍座木星と合、太陽牡牛座と180度、乙女座冥王星と90度とTスクエアを形成していることで、制約や葛藤は激しい過程であったが、9室の意識の学びを蠍座的に深めていくものの流れがあったように受け止めている。
3年前にマドモアゼル愛先生の動画の出会いを通して月理論、ホロスコープを学ぶことで、自分の思考や行動に惑星と12のサインを通して働いていることを学んだ。
惑星とサインの働きも知識としての言葉ではなく、そこに象徴されるものを神話的、メタファーとして感じることで生きる知恵として自分自身を豊かに楽にしてくれることを実感できた。まさにここにユングが河合隼雄先生が語られているコンステレーションという概念につながる。

本書の第8章にはファンタジーが教えるユング心理学への路として「アリ・ババと四十人の盗賊」、漱石の「夢十夜」、芥川龍之介の「地獄変』などの物語を通してユングの12の小路の知恵を具体的な形で解説していただいており、大変面白く、また理解を助けてくれる。

そしてその最後は、映画「イル ボスティーノ」というイタリア語で郵便配達人という映画。この映画は随分前に見た記憶があり、口下手な主人公が愛した女性に対してなかなか言葉が出ない中、ある詩人と出会い、その詩人から暗喩を通してあなたの心を伝えてはと詩の教えを受け、詩を通して主人公もどんどん生き生きとなり、彼女もその暗喩に何か惹かれて一緒になるというストーリーである。
そこには知識としての言葉ではなく、まさに隠喩としての象徴、シンボルを通して分かち合っている関係性が浮かびあがってくる。

著者の解説によるとこの映画のタイトルが象徴しているのはギリシャ神話の「ヘルメス」であり、まさに無意識から意識の世界に情報の伝達する神を象徴していると解釈ができるようである。

http://www.infonet.co.jp/ueyama/ip/episode/hermes.html


私自身、俳句や星読みのお話会のメンバーとの関係性においても、この暗喩をベースとした関係性が生まれていると思う、
ふだん会うことは少ないが、季語やホロスコープの惑星、サインの象徴性を共通認識として、暗喩を通して関係していくことで、そこにエネルギーが生まれていくのを感じる。



火を囲む見知らぬ影と初詣


※俳句と写真日記を毎日更新中

https://z-p15.www.instagram.com/junchan3926/


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