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十三回忌

先日、義母と義父の十三回忌に親族が集まり、形式的ではない真の意味で亡き両親の思い出話を孫六人を含めと行った。

義母はまさに波乱万丈の人生であった。
義母の父方の家が崩壊し、何とかしようという思いから義母の父親は気候の厳しい朝鮮半島に渡り、戦争に巻き込まれ、一番弱い義母にそのしわ寄せが集中した。

厳しい寒さと医療施設も少ない中、義母が2歳半の時に母親は病死し、母5歳のときに継母と暮らすようになったが、その継母に義母は激しい虐待を受け続けた。

そして、終戦を迎えて義母が9歳のとき多くの人が腸チフス等で亡くなったり殺されている中、38度線を越えて奇跡的に帰国した。

義母13歳の際に四人姉妹の長女が父親に、継母の酷さを直訴して別れなければ親子の縁を切ると迫り離婚。
これにより義母の栄養状態は大きく改善し、いじめられることもなくなった。

しかし、義母は、高校で勉強を継続したかったが父親から働けと言われて大阪で働くようになり、父親に強く勧められた義父と結婚させられた。

義父がアルコール依存症であることがその後に判明し、さらには職場で左手を大怪我をしてその介護、そして晩年にはアスベスト由来の中皮腫が発症してその介護と過労から義母が義父を残して急死した。

晩年に、義母は、自分の父親のシャドウを義父に投影していたことに自覚でき、それを義父に伝え、義父に感謝の意を伝えていたのだ。

最期は義母も義父もとてもよいホスピスの施設に入ることができ、義母が衰弱してからは、義父がいつも気にかける姿が思い出される。

義母の生誕時間はわからないが、ホロスコープを調べてみた。
アセンダントは不明であるが、蠍座22度の火星が多くの惑星と複合アスペクトを形成しており、軋轢や変化が激しいことを伺うことができる。

蟹座太陽は蠍座火星と山羊座木星とタイトに調停というアスペクトを形成。
太陽は父親を象徴すると言われており、義母と父親とのわだかまりを象徴している。

また、牡牛座天王星と海王星、木星で地のグランドトラインを形成、
さらには蠍座火星と海王星、木星でミニトラインを形成し全体として綺麗なカイトという複合アスペクトを形成している。

義父の断酒を疑いもなく信じ続けてきた義母の純粋性は蠍座海王星からきているのではと感じた。

牡牛座天王星、そして蠍座火星が、波乱万丈な義母の人生を表しているように感じた。また、蟹座冥王星が水星と合、月と木星とでTスクエアというアスペクトを形成し、冥王星も5つの惑星に直接、働きかけている。

正直なところ、義母は、私の実母以上に私においては、深く語り合える存在であり、語り合える時間がとても豊かでやすらぐ時間であったことが思い出深い。それというのも私も義母と同じように地のグランドトラインが存在し、冥王星が5つの惑星に影響している。義母とは単純に比較などは出来ないが、共通するものをお互いに感じ合っていたのではと思う。

義母は、いじめられてきた傷、戦争による痛みを我が子に連鎖させることなく、自分の中で抱えてきたシャドウも意識し、和解して生涯を終えた。
そのことがいかに大変な軋轢と苦難の積み重ねの上であったことを思うと胸が熱くなる。

義母の十三回忌は、そういう意味で、親族における癒しの場であったように思う。




色褪せし葉書を廻され夏の果て

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