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言い方ひとつ

得意先の営業さんが新人さん同伴でやってきた。
先輩について営業のイロハを学ぶ新人教育の一環らしい。

「よろしくお願いいたします」

新人さんはそう言って名刺を渡してきたが名前を一読すると読み方が2つあるお名前。

萩原。
“ ハギワラ ”と“ ハギハラ ”
みたいな。

名刺を頂いたお礼を言った後に、

『失礼ですが、何とお読みすればよろしいでしょうか?』

と、尋ねると、

「あ、えっと、よく間違えられるんですけど〇〇です」

口調に眉の動き。目の表情から読み方を聞かれることに不満そうな印象を受けた。
よく間違えられるなら、名乗れやと思ったが、

『そうなんですね。失礼しました』

大人の対応をしたが、先輩の営業さんの目が

“ お前、何言ってんの? ”

って、少し怒っている感じで、

「そう思ってるなら名乗って渡さないと。すいません、失礼いたしました」

注意する言い方じゃなく笑いながらツッコむような言い方だったけど“ 絶対、今、怒っているな ”と、ヒシヒシと伝わってきた。
新人さんは先輩が発するオーラに気付いてないようだった。

営業さんたちが出て行ったあと、家政婦は見たバリに窓から2人の様子を見ていたら、営業さんの身振り手振りから注意してるのが分かった。

1年目じゃ色々やらかすよねと思ったが営業さんからすれば、俺の担当エリアで何してくれる。って、ことなんだろう。

「〇〇と申します」

と、名乗りながら名刺を渡せば問題なかったんだけど。

言い方ひとつで大違い。
今日のことで新人さんのレベルが上がるかは分からないけど、レベルアップのための経験値を積むことはできたろう。

ジュースが飲みたいです('ω')ノ