うちの後輩

夕方、そろそろ仕事が終わるという時間に先輩が、

「なんか、懐かしいの出てきた」

と、写真を見せてきた。
先輩が手にしていた写真は複数いる後輩の1人が、うちに入社した1年目の納涼会で撮った写真。
まだ、入社3か月目のあどけなさが残る写真だった。

ちなみに、写真の後輩と僕とのやり取りを先輩は、

「アホな兄妹の会話」

と、言っていて、聞いていて楽しいとのこと。
信頼関係が無かったら問題になりそうな表現をしているが、周りの皆も「分かる」と否定しないので適切な表現らしい。

写真を見た本人は恥ずかしがり、先輩はガチガチに緊張していたと思い出話をして、写真の後輩のさらに下の後輩たちは「若い」と、自分たちが知らない先輩の入社1年目の写真を面白そうに見ていた。

先輩の
「1年目って、皆、若くて当たり前だけど、すごい初々しいよね。この写真」
という言葉に、
『今は図々しいですけどね』
と、言うと後輩に左足のふくらはぎを蹴られた。

『そうやって、先輩に手をあげるところだぞ』

そう注意したけど、後輩に普通に
「うるさい」
と、ため口をきかれた。

やっぱり、図々しいという指摘は間違っていない。
そう思った週初め。