MESONチームとしてEastgate HACKATHONに優勝し、好きな海外ハッカソンに参加できることになりました
こんにちは。株式会社MESONの伊藤です。
先日開催された EastGate HACKATHON にMESONメンバー7人で参加して、見事「EG AWARD」の優勝を勝ち取ることができました!
AR/VRのプロダクトでハッカソンに出ているケースはまだあまり多くないと思うので、この記事を通してAR/VRでハッカソンに挑むチームが増えたら嬉しいなと思い、記事を書いてみようと思います。
EastGate HACKATHONとは
世界に挑戦する日本のエンジニアを増やすためのHACKATHON。
Facebookのオープンソースを使って24時間夜通しでHackし、技術を競い合います。
入賞者は海外のハイクラスなハッカソンに招待され、渡航費とネットワークを獲得できます。
なんと優勝賞品が「海外のハッカソンどれでも出場可能、渡航費も120万円まで支給!」という太っ腹すぎるハッカソン。
海外への挑戦とチームのスキルアップを兼ねて、MESONメンバーで参加することにしたのでした。
参加メンバー
ディレクション・デザイン
・カジ(MESON CEO): https://twitter.com/kajiken0630
・まーくん(ピエール本間): https://twitter.com/y__homm
・ダミアン: https://twitter.com/saharu54
開発
・コバ(ARおじさん、MESON COO): https://twitter.com/AR_Ojisan
・エドさん: https://twitter.com/edo_m18
・ジュンジュン: https://twitter.com/jujunjun110
・いっぽくん: https://twitter.com/1pp0qq1
つくったもの
「フィルターバブル」をVRの力で可視化するアプリケーション「Bubblexit」をつくりました!
フィルターバブルとは、普段オンラインで得ている情報が、個人の趣味や嗜好、人間関係によって最適化されるあまり、まるで「泡」(バブル)の中に包まれたように、自分が見たい情報しか見えなくなること。
例えばトランプ vs ヒラリーの大統領選において、Twitterのフォロー関係をマッピングすることで、それぞれの支持者が全く別の情報や人間関係に触れていることを可視化した以下のグラフは話題になりました。
(VICE より引用)
偏った情報ばかりに触れ視野狭窄に陥ってしまうのは、多様化が進み相互理解がますます重要になってくる現代社会において由々しき問題!
ということで今回は、VRの特長のひとつである「直感的な理解のしやすさと体験のインパクト」を生かして、自分がフィルターバブルの中にいることを肌で感じ、多様な意見を読んでバブルを破壊することができるアプリケーションを作りました。(サービスというよりは、インスタレーションに近いものというイメージです。)
当日の流れ
アイデア出し
MESONチームは、ARスタートアップとしてのスキルアップも兼ねて、まずはARを活かしたアイデアを自由に洗い出し(ふせんを持参したのは超ファインプレーだった...)
アイデアが出揃ったところで、投票制で興味のあるアイデアをピックアップ。
今回の審査基準である
1. アイデアのクオリティ
2. 実装のクオリティ
3. 社会に対する潜在的な影響力
と見比べながら、みんなで話し合って、「面白さ・ワクワク(=1.)」と「社会的意義(=3.)」の2軸にマッピング。
(この画像には写ってはいませんが)最終的に「フィルターバブルをVRで打ち破る」案が選ばれました。
開発
作るものが決まれば、あとは開発するのみ!
今回は7人チーム中、3人がディレクションとデザイン、4人が実装という役割分担でした。
一見開発者の割合が少なく感じますが、限られた時間で機能を作りきることが難しいハッカソンの環境では、実現したい世界観を伝えるプレゼンテーションや、アプリケーションの魅力をビジュアルで伝えられるデザインの果たす役割が大きく、結果的にとても良いバランスだったのではないかと思います。
最終的なアプリケーションの仕組みは、以下のような感じになりました。
[事前処理]
1. 賛否あるトピック(ピエール瀧の出演作品回収の是非、coinhiveの違法性の有無など)について、Yahooニュースのコメントを取得
2. 各コメントをGCPの感情分析APIにかけ、「意見の近さ」を数値化しておく
[体験の流れ]
1. あるトピックに関するいくつかの質問に答えてもらい、体験者のトピックに関するスタンスを判定
2. トピックに関するニュースが浮かぶ空間に移動し、体験者は自らの「フィルターバブル」の内側に入る。自分のスタンスに近い意見は近くにはっきりと、自分とは遠い意見は遠くにぼんやりと見える。
3. 体験者は、自分に近い意見を読むにつれ、外側の意見も読むように促される。
4. バブルの外側に歩いていくことで、自分とは逆の意見に出会い、自分とは違うスタンスの人もいることに気づくことができる。たくさん意見を読んでいくと、最初に自分を覆っていたバブルが割れる。
5. 最終的に俯瞰の視点になり、自分のスタンスが、意見の空間においてどこに位置しているのか客観的に知ることができる(←ここは未実装)
システム構成はこんなかんじ。
プレゼン
(プレゼンに向けてテンションを高め、「キマって」いるピエール本間)
最後にはMESON期待のルーキーまーくんが、「ピエール本間」として素晴らしいプレゼンを披露。
そして...
優勝!!!最高!!!
チームメンバーそれぞれが役割をしっかり果たして優勝することができました!過程も結果も最高のハッカソンになりました!
審査員の方々には、以下のようなところを褒めていただけたので、一部紹介いたします。
及川卓也さん(Tably 代表取締役)
・インスタレーションとしてのメッセージの良さ
・見せ方を変えれば、実用的なアプリケーションとしても使えそうなところ
沢山陽平さん(Coral Capital Founding Partner)
・実装の完成度の高さ
増井雄一郎さん(元トレタCTO)
・Facebookでもまさに起きている問題であるフィルターバブルを、Facebookツールをメインにしたこのハッカソンで取り上げた度胸
実は、フィルターバブルをテーマとして取り上げたのは、Facebookがいま興味のあるトピックを解決するのが良いのではないかという連想からだったので、それがうまくハマった形だったと思います。
ふりかえってよかったこと
・トガったテーマ設定
今回選んだ「フィルターバブル」という問題は、世界で現在進行系で発生してきている社会問題かつ、まだ誰もうまい解決を図れていないという意味で、取り組み甲斐のあるちょうど「トガった」テーマだったのではないかと思います。
・デザイン・プレゼンチームに人数を多めに割けたこと
性質上ハッカソンは開発者が多く集まりがちですが、今回は会社チームで参加したため、7人中3人がはじめからデザイン・プレゼンに取り組めました。
そのため、伝えたいメッセージや見せ方についてだいぶ時間を使えたのが、最終的なプレゼンの完成度に大きく寄与した気がします。
海外ハッカソンに行ってきます!
優勝賞品として海外ハッカソンへの渡航費をゲットしたので、今回のメンバーで海外のハッカソンに行ってきます!まだどのハッカソンにするかは決めていませんが、TechCrunch DisruptやCESのような、ホットなイベントのハッカソンに行きたいと思っています。
MESONはこれからも、今回のハッカソンのように、自分たちのスキルを高められる機会にどんどん挑戦していこうと思います!
世界のみんなが偏見をなくし、手をつなぎあって笑える、そんな日が訪れるまで...