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痛みって、なんだろう④

パート3はこちら

痛みを発生させる場所は3つ

今まで痛みの話をいくつかしてきましたが、一般的に言われている、痛みが発生する種類を整理します。

① 侵害受容性疼痛
怪我や、外力などで組織が傷ついたり、何かしらの圧迫や影響をうけて痛みがでるもの

② 神経障害性疼痛
神経が傷ついたり、神経が圧迫されたり様々な要因で神経が影響をうけて痛みがでるもの

③ 中枢神経障害性疼痛(心因性疼痛)
心因性とついているが、心がキズついたものではなく脳や脊髄が影響をうけて痛みがでるもの

この3つはどこで痛みを受け取るかということです。文字で書くとわかりにくいので、画像でまとめてみました。

このように骨格(第1・第2)や臓器などか影響されて痛いのが、侵害受容性疼痛
末梢神経が影響されて痛いのが神経障害性疼痛
脳・脊髄が影響されて痛いのが中枢神経障害性疼痛です。
また、組織が「影響される」は必ずしも損傷があるとは限りません。

身体的と心理的のホメオスタシス

そもそも痛みの発生は警告であり、何かしらの影響で「ヤバイ」と思った時に生まれます。
身体はどんな時にヤバいと感じるのでしょう

人間の身体には【ホメオスタシス】と呼ばれる機能が備わっています。
日本語で言うと生体恒常性といいます。

ホメオスタシスは、「同一の状態」を意味するギリシア語が語源で、生理学者のW・B・キャノン(1871~1945)によって提唱されたものです。

ホメオスタシスは、「自律神経」「内分泌」「免疫」の3つが働き、外部の環境にかかわらず、一定の状態を保とうとする調節機能です。

例)
・気温に関係なく体温を36度程度に保つ
・細菌などの異物がない状態を保つ
・怪我や風邪をひいた際に健康な状態に戻す
・塩分濃度などの体液の組成を一定に保つ
・体内の水分量を一定に保つ   
                   など

このホメオスタシスが働いている限り人間の身体は一定に保たれます。

身体が怪我してしまったり、風邪をひいてしまったりしてもこのホメオスタシスが働いているから治ります。

ホメオスタシスは周りの環境の変化していきます。
変化についていけなかったり、ホメオスタシスが間違って変化したり、ホメオスタシスと組織が対立してしまったりするとそれに伴って警告を出して痛みとして表現します。

自身がこうなってて欲しいと認識しているところから、逸脱を起こすと人間は「ヤバい」と感じて、警告をだすのです。

怪我をして痛みが出るのも病気になって痛みが出るのも身体の一定の状態から逸脱するからです。

ホメオスタシスには2種類あり、心理的ホメオスタシスと身体的ホメオスタシスがあります。

身体的ホメオスタシスと心理的ホメオスタシスが対立すると痛みや症状を作ります。

心理的ホメオスタシスとは
身体的ホメオスタシスと同じで、一定の心理状態を安定させる力
自身で自己精神を安定させる力

例)
・実家にいると安心する
・諦めたり挫けたりするけどやり直そうとする
・同じ時間に起き同じ様に行動する
                   など

ライフスタイルは"違うことをしない"という心理的ホメオスタシスが影響します。
これは良く働く場合と悪く働く場合があります。

例えば椅子に座るとき、身体的ホメオスタシスは骨盤を立てて前側の筋膜と後側の筋膜を安定させ、筋膜の張力を崩したくなくても、心理的ホメオスタシスは"楽に座る習慣"がついているので、ここで対立が起こります。

なぜ、身体的ホメオスタシスと心理的ホメオスタシスは一緒に働かないのか

【コンフォートゾーン】という言葉をご存知ですか?日本語でいうと快適領域や自慰領域といいます。

コンフォートゾーンとはまさに「温かい布団」に包まれるように、無理をせず快適に暮らしていくことができるのです。
人はこのコンフォートゾーンから抜けない限り同じ事を繰り返します。

「姿勢を崩してダラッと座る」のがコンフォートゾーンだとしましょう。
この状態だと「キチンと座ろう」と習慣を始めようとしても、コンフォートゾーン外の “不自然な” 行動なので、心理的にホメオスタシスが働き、「ダラッと座る」状態からなかなか抜け出せないのです。

心理的ホメオスタシスを解除し、身体的ホメオスタシスと同じベクトルに向かせる為には新しい習慣を身につける為には、コンフォートゾーンを移動させる必要があります。
「キチっと座る」がコンフォートゾーンに入れば、「キチっと座る」のは当たり前の行為となり、むしろダラっと座る事が気持ち悪いと感じるようになります。

では、コンフォートゾーンを移動させ、ホメオスタシスを解除するには、どうすればよいのでしょうか?

それはまた別な時に。

パート5へ続く

2020年1月17日

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