柴崎岳。岡崎慎司。乾貴士。久保建英。ラ・リーガ2020-21シーズン。前半戦総括。

■ 柴崎岳 ~ラ・リーガ2部でもがき続ける日本代表の司令塔~

多くの日本人選手たちが憧れているであろうスペインリーグ、リーガ・エスパニョーラ、ラ・リーガというのは、漠然とイメージされている程には、華麗なリーグではない。簡単に言えば、バルセロナのようなチームというのは、むしろ、異質であるとも言える。もちろん、バルセロナのような、という事を目指しているチームも少なくはないが、それと同数か、それ以上に、より結果を求めて戦うチームが存在している。つまりは、漠然とイメージされているよりは、守備的であるし、フィジカル的であるし、そして、戦術的である。

更には、戦術的ではあるが、より個の力に、それは依存されている。そういう文化である。なぜ日本人選手はラ・リーガでは苦しむのか? その答えというのは、そこにあるのではないかと感じていて、つまり、「漠然とイメージされているよりは、守備的であるし、フィジカル的であるし、そして、戦術的である」、という事と、「戦術的ではあるが、より個の力に、それは依存されている。そういう文化である」、という事。むしろ、そういうベースの上に、テクニック的な華麗さは添えられている、という感じを強く持っている。

特に2部リーグであると、更に、その傾向は強くなり、バルセロナやレアル・マドリードのようなチームは、別世界のものであるように思えてくる。しかし、スペインサッカーの強さの根幹にあるのは、そこである、とも感じられる。つまり、ベースには「より結果を求めて戦う」タフさや狡猾さや勝負に徹する哲学、方法があり、そしてそれを、個の力を基準点にして、という事で昇華されたものが、スペインのサッカーなのではないかと思う。そういう意味では、日本のサッカーとは、全く似て非なるものであると言えなくもない。

そして、その舞台の中で日本代表の司令塔である柴崎は、長く、もがき続けている。よりタフに、より狡猾に、より勝負に徹して、尚且つ、より個の力が必要でありながら、より高度な戦術的な理解や役割も求められる。いや、むしろ、「より個の力が必要」と「より高度な戦術的な理解や役割も求められる」は、ほぼイコールの要素であり、そこに考え方としても能力としてもアジャストできないと、なかなか先は見えてこないような気がしている。もちろん、日本的な、という事が重宝され通用する事も、少しは、あるとは思うが。

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