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第15回虐待、それでも親子関係は修復されるのか?

こんにちは。
伊藤 幸弘です。
本日も僕の記事を読んでくださりありがとうございます。

本日も子育ての悩みから、ひきこもりや非行など、子供の問題行動に悩んでいる親御さんに役立つ情報を
お伝えする「伊藤幸弘の子育てアドバイス」

皆さんのご家庭の問題解決のお役に立てればと思います。


前回のおさらい

◎最初から読む場合はコチラからどうぞ↓
第1回 なぜ子どもは荒れるのか?

◎佐々木正美先生との対談を最初から読む場合はコチラからどうぞ↓
第4回 本当は人一倍優しい子どもなのに

前回は、
「親が知らない場所で豹変する子供。」
というテーマでお伝えしました。

12歳ですでに水商売をしていた
千夏という少女のお話をさせていただきました。

なぜ千夏が水商売をするような子どもになってしまったのか?

家庭に原因がありました。
実は千夏は母親から虐待を受けていました。
母親は、一見きれいな顔立ちをした品の良さそうな女性です。
でも、表の顔とは全く異なる裏の顔を持っていました。
千夏に対して灰皿を投げたり平手打ちをしたり、
自分自身の欲求不満を千夏にぶつけてたのです。

そんな中、千夏にさらなる苦しみが覆いかぶさります。
学校でいじめに合うようになったのです。
しかし、先生に言っても全く助けてくれません。

結果、
「母親も先生も、大人は誰も信用できない。」
千夏はそう思うようになりました。

そして千夏の中に、ある危険な感情が生まれます・・・。
大人を信頼できなくなった子どもが
何を思い、どんな行動をとるようになるのか
これからお話する千夏のエピソードを
ぜひあなたの子育ての参考に
していただければと思います。

今日のテーマ
「虐待、それでも関係は修復されるか」

「強くないからいじめられてしまう。
だから先生に言っているのに。
親に言ったところでお前がいくじなしだから
と言われるのがオチだ。
なら、もう誰もあてにしない。
信じない。」

小学校2年生の時点で
千夏はこんなことを思うようになってしまいました。
そしてそれ以来、千夏の心のなかには
“反発してやる”
という気持ちが異常に増幅するようになっていきました。

そして自分と同じような波長をもつ子と仲良くなり
小学生で酒とタバコを覚え
やがて6年生で水商売の世界に入っていきました。

理由は
「虐待を繰り返す母親を見返してやりたい。
そんな親に食べさせてもらわなくても
自分で稼いで食べていけるのだ。」
と示したいからでした。

中学生になっていったん水商売はやめたものの
中学2年生の後半からはまた店に出るようになっていました。
中3になるころにはさすがに両親も本腰を入れて
警察に協力してもらい千夏を水商売の世界から引き戻しました。

しかし、その後は学校にも行かず
毎日夜遊びを繰り返して
そのうち彼氏を作って彼の家に入り浸るようになりました。

当時の千夏にとって彼を作ることは
イコール明るい家庭を作ることを意味していました。

幼児の時、虐待を受ける地獄の毎日に思うことは
「大人になったら幸せな家庭をつくる」
そのことだけだったと後に話しています。

その思いが、虐待に耐える上での希望になっていました。
水商売に入ったのも家から出たくて仕方がなかったからです。

一方、母親も千夏がどんどん落ちていく姿を見て
自らの虐待を悔いていました。
僕のところに来た時にも
一番悔いていたのはそのことでした。

「千夏がああなったのは、幼い頃に原因があるんだ。」
という僕の言葉に
「そのとおりです。できることならもう1度子育てをやり直したい。」
と心の底から泣きました。

皮肉なもので幼い頃は子供が親の暴力で悩み
思春期になったら今度は親が子どもの問題行動や
暴力で悩んでいるのです。

僕は、千夏の母親にこう話しました。
「千夏ちゃんがあなたを心から許すまで側にいてあげることですよ。
千夏ちゃんは幼い頃からあなたに暴力を受けてきました。
要するに愛情をかけてきませんでした。
その愛情を今かけなくてはいけない。
家に帰ってこなかったら捜し出し
本人が帰りたくない、と言ったら
お邪魔している家の人に挨拶をして
食べ物や着替えを持っていく。
あとは千夏ちゃんの行動を待って
また対応していけばいい。
常識的な対応の中で
千夏ちゃんと常に向き合うことが愛情なんです。
必ずお父さん、お母さんの元に帰ってきますよ。」

最初は何を言われているのか分からないという顔だった母親も
僕が説明していくと理解し、納得し
表情もイキイキとしてきました。

最後には
「千夏と何があっても向き合っていきます。」
と力強く言ってくれました。

父親も別れ際に
「だらしなかった自分が全ていけなかった。
これからは一家の柱として家族を守っていきたい。」
という言葉を残してくれました。

両親は、その後娘と本気で向き合うようになりました。
母親は千夏に真剣に詫び
もう1度関係の作り直しを始めました。
親が変わると千夏も変わりだしました。
自分の人生を考え始め21歳になった時
親の援助を受けながらではありますが
スナックをオープンさせました。
その時
「これからはうんと甘えていくからね。」
と母親に言ったそうです。


千夏のお話はここでおしまいです。

幼児期の頃の子育てが
子供の人生をどのように変えてしまうか
思い知らされたケースでした。

それでも人間は強いものです。
思春期になっても成人してからでも
人は変わっていくことができるのだと
教えてくれています。

しかし
だからと言って幼児期の子育てを
おろそかにしていいわけではありません。

良い乳児時を過ごせば
良い幼児期を迎えられます。

良い幼児期を過ごせば
少年期、青年期、壮年期、老年期が
良いものになるでしょう。

遠回りな子育てをしたくなかったら
ゼロ歳の時から愛情のキャッチボールをすることが大切です。
幼児期に嬉しい事、楽しい事を
たくさん経験することによって
思春期の子どもと親との信頼関係が築かれていきます。

あなたのお子さんは今、何歳ですか?
お子さんのことで悩まれているということは
おそらく幼児期ではないはずです。
幼児期には不登校も引きこもりもありませんからね。

でも、今お子さんが何歳であっても千夏の話にあったように
これから関係を修復することはいくらでも可能です。
たとえどんな状況であってもどうか諦めないでください。

実際に以前行っていたメルマガの読者様からも
状況が改善されているという嬉しい声が届いております。

“子育ての中でお子さんとの関係に
もし変化が見られましたらぜひ教えてください”
という呼びかけをさせていただきとてもありがたいことに
それに対していくつもメッセージをいただきました。
その中から本日は、Fさんからの声を紹介させていただきます。

Fさんは、メルマガだけでなく
僕の「伊藤幸弘・不登校ひきこもり解決DVD」をご覧頂いた方で
とてもリアルなお話なので
きっとあなたの子育てにも参考になるはずです。
※DVDについては最後にご案内させていただきます。

*ここから*
私の子は、この春中学生になります。男の子です。
小3くらいから
お友達にからかわれたからと学校を休みたいと言う事があり
小6の後期からはクラスに居場所がないと
休む回数が増えました。

長男には5年生で解りましたが、ADHDの傾向があり
小さい頃から、落ち着きのなさと
我の強さが気になっていました。
それを押さえつけるような子育てをしてしまったのだと
DVDを見ながら胸が締め付けられるようでした。

長男は、楽しい不登校です。
不登校理由は、クラスに自分をからかう子がいる。
先生にいつも注意されてしまう。
勉強が苦手。というものです。
友達との距離感が苦手で、自分の都合でしゃべり続けたりするので
仲間外れにされたりします。
学校に行った日や土日は気の合う子とは遊びます。

先生のDVDをみて
まず、お友達に仲間外れにされたのは辛かったね。
どんな理由でも、意地悪をするのは相手が悪いよ。
と言ってあげました。
その上で、話し方を気を付けるようにアドバイスしました。

子育てそして、指示命令をやめました。
ゲームの時間が過ぎても1、2回声をかけたら見守り
遅くなっても自分でやめたら褒める。
というような事を続けています。

長男はとても穏やかになり
以前は、妹に意地悪をしたりしていましたが
二人で仲良く遊んだりしています。

前より、甘えてくることも増えました。
そして何より、認めてあげている分
こちらがして欲しい事を以前より
『はい。分かった。』
と言ってやるようになりました。

子育てが楽しいと感じられるようになりました。
もうすぐ中学生活が始まります。
心配事は沢山出て来ると思いますが
子どもの目線、気持ちを考えながら
接して行きましたいと思います。
このメールマガジンも毎週楽しみに
読ませて頂いています。
これからも子育ての指針にさせて頂きます。
あのままの子育てを続けていたら
非行や暴力を振るう子になっていたと思うと
DVDを購入して本当に良かったです。
*ここまで*

Fさん、とても素晴らしいメッセージをありがとうございました。
状況が改善されたこと、心の底から嬉しく思います。

中学生になり心配事も増えることもあるかもしれませんが
今の子育てを続けられていれば
何があってもきっと乗り越えられるはずです。
これからもお子さんのことを認めてあげるような
子供目線に立った素敵な子育てを継続してくださいね。
改めまして、メッセージを送っていただいた事に感謝します。
ありがとうございました。

さて、このコラムでは引き続き
あなたからの嬉しいご報告もお待ちしております。

“最近子どもが学校で起こったことを話してくれるようになった”
“一緒に出かけるようになった”
など、どんなことでも構いません。
読者の方同士がこのコラムを通じて
ポジティブな経験をシェアし
1人でも多くの方の悩みが解消されるような
きっかけを作りたいと考えておりますので
“Fさんのメールを読んで、ヒントになりました!”
といった内容でもOKです。

ぜひ、メッセージをいただけたら幸いです。
送り先はこちらのコラムへで大丈夫です。
ぜひお気軽にコメント下さい。

さて、次回は”母性”と “父性”をテーマに
再び僕と佐々木先生の対談をお送りさせていただきます。

子どもが、父親に言われても笑って返せるけど
母親に言われたら傷つく
そんな言葉があることをご存知でしょうか?

普段生活している中で
気づくことはなかなか難しいかもしれませんが
あなたが母親でしたらこのことは
ぜひ気をつけていただきたいことです。

もしかしたら、あなたのお子さんも
知らず知らずのうちに
心に大きい傷を負っているかもしれません。

たった一言が、親子関係を引き裂く
そんなことにならないように
是非次回のコラムも読んでいただければ幸いです。

それでは、本日も最後まで
お読みいただきましてありがとうございます。


ご相談、お問い合わせは伊藤幸弘教育研究所まで

今回のコラムで登場した「不登校・ひきこもり解決DVD」については
僕のホームページにあるこちらのページをご覧ください。

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