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土木学会選奨土木遺産

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土木学会選奨土木遺産の認定制度は、土木遺産の顕彰を通じて、歴史的土木構造物の保存に資することを目的として平成12年度に創設されました。 このマガジンでは「土木遺産」に触れた記事(…
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#橋梁

令和6年度土木学会選奨土木遺産

土木学会事務局です。 土木学会では2000(平成12)年度から、顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、選奨土木遺産を認定しています。 本日、2024年9月24日に令和6年度選奨土木遺産14件を公表し、24年間の累計で認定した土木遺産は531件となりました。 選奨土木遺産には、大規模なものから小規模なものまで、また誰もが知っているような有名なものから、日常生活の中に溶け込んでいて気がつきにくいものまで、さまざまなものがあります。そこにある土木施設にどの

土木学会選奨土木遺産を訪れました~東海道線大井川橋りょう・静岡県島田市~

令和5年度に土木学会選奨土木遺産になった、東海道本線大井川橋りょうを訪れました。 完成したのは1915(大正4)年だそうです。 リベットによる剛結合の曲弦プラットトラス桁。 知らないひとには、もはや暗号のような。 わたしは上手く説明する自信はないので、他人のチカラを借りることにします。 剛結合とは、「部材同士を一体化する接合方法」です。 プラットトラスとは、斜材が「逆ハの字」に配置され、上弦材、下弦材、鉛直材で構成されるトラスです。 なんとなくわかっていただけたでし

長生橋を訪ねました~新潟県長岡市・土木学会選奨土木遺産~

長生橋一度見てみたいと思っていた長生橋。 新潟県長岡市にあり、信濃川に架けられた橋梁です。 土木学会選奨土木遺産に選奨されています。 【諸元】 橋長:850.8m 幅員:7.0m 形式:下路式ゲルバー鋼ワーレントラス橋 構造などについて、新潟県のホームページでわかりやすく書かれています。 また、「長生橋を愛する会」も組織されていて、多くの方から愛されているんですね。 ライトアップされていたり、長岡花火でもナイアガラがかかる橋だそうです。 短い時間でしたが、長生橋の全景

奈良吉野で!ドボジョが見つけた土木遺産と絶品モンブランの旅

暑すぎた夏もようやく終わりを見せ始め、絶好の旅シーズンがやってきました! ということで、私も早速、日帰りプチ旅行に行ってきました。 今回はそこで見つけたロマンあふれるレンガ橋と絶品モンブランをご紹介したいと思います。 近鉄大阪阿部野橋駅から電車で1時間。 千本桜で有名な奈良の吉野山のほど近く、薬水駅にやってきました。 この薬水駅から徒歩5分のところにあるのが、旅の目的、レンガ造りの薬水拱橋です。 土木学会が選奨する「土木遺産」にも選ばれた薬水拱橋の完成は大正元年(191

安部川橋を訪れました【土木学会選奨土木遺産】~静岡市~

静岡県葵区にある安部川橋。 その名のとおり、静岡市を流れる安部川に架かけられた橋梁です。 土木学会選奨土木遺産です。 今年、2023年の8月7日には、登録有形文化財に登録されたとのことです。 これからも永く大切にされますように。 諸元等は、土木学会のホームページを参考にしました。 わたしが訪れた日、天気は良かったものの、逆光が心配な時間。 こんな写真になりました。 綺麗に撮るのは、なかなか難しいですね。 土木遺産は、もっとじっくりと楽しまなくてはいけないかな。 細かく

大井川橋を訪れる~選奨土木遺産~

静岡県道381号島田岡部線の大井川橋。 旧国道1号線で、全長1,026.4m(トラスは17連)の橋梁です。 2013年(平成15年)に土木学会の選奨土木遺産に選出されました。 元々は川越制度により、人足による徒歩、輦台(れんだい、蓮台)、馬越などで渡っていた大井川ですが、1870年(明治4年)に廃止されたそう。 その後、渡船が運航されたそうですが、1883年(明治16年)に木製の橋が完成したものの、1895年(明治29年)には増水により流失してしまいます。 その後、現在のト

広島市内の選奨土木遺産、土木学会各賞受賞作品など

土木学会事務局です。 今年の土木学会全国大会は、9/11~15の日程で開催します。 このうち、9/13~15が広島での現地開催となり、9/13は広島国際会議場での全体行事ほかを、9/14・15には広島大学東広島キャンパス・広島工業大学五日市キャンパスの二カ所で年次学術講演会を分散開催します。 全国大会の開催に合わせ多くの土木技術者の方が広島の地を訪れることと思いますので、前泊・後泊あるいは期間中の合間で訪れられるよう、広島市内にある選奨土木遺産や土木学会の各賞を受賞した橋

令和4年度土木学会選奨土木遺産

土木学会事務局です。 土木学会では2000(平成12)年度から、顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、選奨土木遺産を認定しており、2022(令和4)年度で22年目となりました。 本日、2022年9月12日に令和4年度選奨土木遺産を公表し、22年間の累計で認定した土木遺産は496件となりました。選奨土木遺産には、大規模なものから小規模なものまで、また誰もが知っているような有名なものから、日常生活の中に溶け込んでいて気がつきにくいものまで、さまざまなもの

【偏愛土木写真0013】国指定重要文化財「綱ノ瀬橋梁及び第三五ヶ瀬川橋梁」

 このコーナーでは、土木写真部の部員が一押しの土木構造物やお気に入りの写真をご紹介します。  第13回は2005年(平成17年)9月の台風14号よる大雨のため、第一五ヶ瀬川橋梁と第二五ヶ瀬川橋梁が流失するなど甚大な被害を受け、2008年(平成20年)12月に全線廃止となった高千穂鉄道の廃線跡に残る「綱ノ瀬橋梁及び第三五ヶ瀬川橋梁」です。  旧高千穂鉄道の主要な橋梁の設計・施工には、「コンクリート工学の父」と称された九州帝国大学教授、吉田徳次郎博士の指導のもと、日本の土木技

相模川の新旧ツインブリッジを探訪する ~相模原市緑区・小倉橋と新小倉橋~

いつもの八王子市・南大沢から少し飛び出して、土木遺産である、相模川に架かる小倉橋と新小倉橋を探訪してきました。目的は、「土木学会選奨土木遺産」に選ばれたこの橋を題材に、土木学会のwebマガジンである、「From DOBOKU」へ原稿を書くための取材でした。From DOBOKUの投稿内容は、下記にリンクを貼ったので、そちらをご覧ください。その原稿では書ききれないほど、この場所には魅力的なスポットがたくさんあるので、それを紹介したいと思います。 小倉橋と新小倉橋は、相模原市緑