日本バイオインフォマティクス学会

日本バイオインフォマティクス学会(JSBi)は、生命科学と情報科学が融合した学問領域で…

日本バイオインフォマティクス学会

日本バイオインフォマティクス学会(JSBi)は、生命科学と情報科学が融合した学問領域であるバイオインフォマティクスの研究・教育の推進を目的とする学会です。

マガジン

  • バイオインフォマティクスと技術開発コミュニティ

    バイオインフォマティクスと技術開発コミュニティについて、研究者に語っていただいています。 なお、本マガジンは日本バイオインフォマティクス学会ニュースレター第39号(2021年3月発行)の特集に掲載された記事をnoteに掲載したものです。

  • バイオインフォマティクスの人の本棚

    バイオインフォマティクスの研究者の大事な書籍について語っていただきます。 なお、本マガジンは日本バイオインフォマティクス学会ニュースレター第40号(2021年8月発行)の特集に掲載された記事です。

  • 20周年記念特集「バイオインフォマティクスの今後の20年」

    バイオインフォマティクスの今後について研究者たちが語ります。 なお、本マガジンは日本バイオインフォマティクス学会ニュースレター第41号(2022年3月発行)の特集に掲載された記事をnoteに掲載したものです。

最近の記事

  • 固定された記事

オンライン国際ハッカソンを成功させるために必要な10のこと、あるいはCOVID19 Virtual BioHackathonはどのようにして成立したのか

大田達郎 ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS) ハッカソンのオンライン化  COVID19の感染拡大により、2020年は多くの人が行動の変化を強制された年であった。集会の開催が困難になったことで、研究会やセミナーが全面的にオンライン化したことは、アカデミアにとって特に大きな変化であったと思う。  筆者が所属するDBCLSでは、BioHackathon(以下BH)という合宿形式の国際会議を年に一度、10年以上に渡って開催している。BHでは世界各国から集ま

    • 徒手空拳で飛び込んで―BioHackathon2020―

      土肥栄祐 当時:新潟大学脳研究所 現在:国立精神神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第三部  コロナが世間を跋扈する2020年4月、私は臨床医から一念発起し4年半の研究留学を過ごしたアメリカから、縁もゆかりも無い新潟大学へ基礎研究者として帰国することを決めたところでした。同時に、今後は様々なデータがオープンになるだろうと感じていたので、バイオインフォマティクスを学んで自分の研究に活かせる様になろう!と決めていました。そうはいうものの、周りに詳しい人もおらず、自分で調べ

      • Pitagora Network+Workflow Meetup

        西田孝三 当時 理化学研究所生命機能科学研究センター 現在 東京農工大学 石井学 株式会社ゲノムアナリティクスジャパン 丹生智也 当時 国立情報学研究所クラウド基盤研究開発センター 現在 国立遺伝学研究所 生命情報・DDBJ センター 大田達郎 ライフサイエンス統合データベースセンター Pitagora NetworkとWorkflow Meetupの目的  Pitagora NetworkとWorkflow Meetupは、今や研究者が独学するには手に負えないほどに膨れ

        • 研究者の習慣と走ることについて

          白石 友 国立がん研究センター 研究所 ゲノム解析基盤開発分野  この度の依頼をいただき、せっかく若い研究者に依頼いただいたのでぜひともお引き受けしたいと思い、すぐに承諾の返事を送った。しかし、よくよく考えてみると、自分は「とある本を読んで科学の面白さに目覚めて、研究者を志した」というような明快で魅力的なストーリーを持ち合わせていない。どちらかというと進路を選ぶ過程で、なんとなく流れでこの世界に迷い込んできたような感じだと思う。企業の中で組織の歯車として働くよりも、研究者の

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          6本
        • 20周年記念特集「バイオインフォマティクスの今後の20年」
          1本

        記事

          ウイルス進化研究の原点

          西村 瑠佳 総合研究大学院大学 生命科学研究科 遺伝学専攻 五年一貫博士課程三年  私は現在、国立遺伝学研究所の人類遺伝研究室にて、「縄文人が感染していたウイルスとその進化」をテーマに研究を行っています。今回はこの研究のキーワードである「ウイルス」と「進化」に対して強い魅力を感じ、研究テーマとして選ぶきっかけとなった本を2冊ご紹介します。  1冊目は、幼少期に読んだ絵本の中で一番好きだった、「せいめいのれきし」です。この絵本では地球の誕生から生物の進化過程、人類の歴史につ

          異分野を異分野でなくするために

          有田 正規 国立遺伝学研究所 生命情報・DDBJセンター  修士課程のときに情報科学分野からバイオインフォマティクスに入りましたが、高校や大学では生物学を学んでいませんでした。当時は生物学が必修ではなく、高校一年で「理科Ⅰ」を履修しただけ。その立場で普通の生物学教科書を読んでいたら挫折していたでしょう。しかし、タシュネの『遺伝子スイッチ』を読んで大腸菌ウィルスのシミュレーションに興味を持ったことが幸運でした。また全体像を知るのに、ラボにあったワトソンの『組換えDNAの分子生

          異分野を異分野でなくするために

          全ゲノムシークエンスに基づくがんのゲノム臨床シークエンス研究の実装-未来はとっくにはじまっていた

          宮野 悟 東京医科歯科大学M&Dデータ科学センター センター長  2011年ころの日本の生命科学は、2004年ヒトゲノム解読の終了宣言から前後から始まった「(金食い虫の)ヒトゲノム研究は終わった」という大合唱の中にあった。2007年11月の山中伸弥先生のiPSの発表が一世を風靡しており、日本は「ゲノム研究―失われた10年」の真っ暗闇をさまよっていた。一方、米国National Institute of Health (NIH)は、2002年1000ドルゲノム構想を打ち出し、

          全ゲノムシークエンスに基づくがんのゲノム臨床シークエンス研究の実装-未来はとっくにはじまっていた

          人生の転機と共にあった本

          鈴木 脩司 株式会社Preferred Networks  本を読むことが好きなため、ジャンルを問わず興味がわいた分野や人に勧められた本をよく読んでいます。そんな私ですが、自分の研究やキャリアと本との関係を振り返ってみると、重要なタイミングで良い本に出合っていたというのを実感しました。そんな自分の転機ともいえるタイミングで読んでいた本について紹介していきたいと思います。  本の紹介の前に私自身について少し紹介します。私は2006年に東京工業大学の5類に入学し、大学時代は情

          人生の転機と共にあった本

          自然言語と、人工言語と、科学と、わたし

          板谷 琴音 理研BDR・慶應義塾大学  私を科学の世界に引き込んでくれたのは『子供の科学』でした。 直接のきっかけは覚えていませんが小学校の高学年くらいから毎月、食い入るように隅から隅まで『子供の科学雑誌』を読んでいたのをよく覚えています。物理学、天文学、生物学、電子工学、情報学など実に広範な科学の基礎的な知識を『子供の科学』を通じて学びました。そのおかげでアメリカで通っていた地域でもトップレベルの学力の中学で、最高学年者が任意で受験する科学の試験で三人同率の最高得点を獲得

          自然言語と、人工言語と、科学と、わたし

          座談会:次世代の生命情報科学に向けて 前編

          荒川 和晴 慶應義塾大学 先端生命科学研究所 岩崎 渉 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 大上 雅史 東京工業大学 情報理工学院 情報工学系 尾崎 遼 筑波大学 医学医療系/人工知能科学センター 小林 徹也 東京大学 生産技術研究所 福永 津嵩 早稲田大学 高等研究所 編集:尾崎・福永  今から10年前の2012年に、バイオインフォマティクスのあり方について、若手研究者による多様な議論が交わされたことがありました。  JSBiニュースレター第25号に「次世代の生命情報

          座談会:次世代の生命情報科学に向けて 前編