第二十二章 馴染みの娼婦が背中を押した「男の価値は…」(前編)
この物語はフィクションです。登場する団体、名称、人物等は実在のものとは関係ありません。
赤線とはー
性風俗の混乱を恐れた国が慰安所として許可を出した特殊飲食店街。半ば公認で売春が行われ、警察の地図に赤い線で囲ったため、赤線と呼ばれた。ー
―横浜・永真カフェ街―
名古屋に乗り込む前に、どうしても逢いたい女がいた。千秋である。旅を始めてから千秋とは久しく逢っていなかったが、千秋は今も横浜の赤線街・永真カフェ街にいる筈だ。
今から名古屋に向かっても、かなり遅い時間になる。