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新盆に寄せて=盆綱(ぼんづな)=

 私の田舎である茨城県霞ケ浦周辺では、お盆の風習として「盆綱 ぼんづな」という行事が長年親しまれてきた。

 「盆綱 ぼんづな」とは、お盆の時期に子どもたちが、わら縄を曵いて先祖の霊を送り迎えする風習である。
 龍や蛇に模してつくられた盆綱 ぼんづなは、8月12日にお墓に置かれ、そこに仏様たちの魂がしがみつく。
13日に盆綱 ぼんづなを持った子どもたちは、各家々を周り、盆綱 ぼんづなにしがみついている仏様たちを、各家に送り届けていく。

(引用) 茨城県教育委員会ホームページ
https://kyoiku.pref.ibaraki.jp/bunkazai/bunkazai-8578/

 しかし、この風習も今では見られなくなった地区が多い。
私は、この光景を他の地区にある親戚の家で母と一緒に見るのが好きで、毎年夏の恒例行事だった。

〽 爺さん 婆さん 乗ーらっせ ♪
      爺さん 婆さん 乗ーらっせ ♪

 うたいながら盆綱 ぼんづなを曳く、子どもたちの声が聞こえてくると、母と拍手をしながら待ち受けた。
しかしー
その母も昨年亡くなった。

 今夏、石岡の実家では新盆を迎える。
一昔前ならば、母の魂が盆綱 ぼんづなに乗ってやってくるはずだ。

どんな言葉をかけてあげようか。

ただ、ただ、ありがとう、に尽きる。

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